始まりをいくつ数えた頃に
秋色
第1話 暁絵って子
暁絵って、本当に何かを始めるのが好きなんだ。お隣さんというだけでそれにいつも巻き込まれるこっちの身にもなってくれ。
しかも何やってもぶきっちょで全然ダメだし。おまけに飽きっぽいし。
ゲームに凝り始めた事は数知れず。でも上手くいかなくなったら放り出す。ボードゲームでもスマホのソーシャルゲームでも同じだ。せっかく面白くなってきたとこっちが思い始めた所で、急に興味を失くしてやめたがる。
手芸に凝り始めても、手作り感あふれるというより、どうやったらこんな風になるんだろうって感じのポーチやマスコット人形が出来上がる。その横には、「売り物になるよ」と褒められる程の俺の手作りポーチと女子に絶賛のマスコット人形。
暁絵のおかげで器用な俺の隠れた才能は向上していくばかり。
暁絵が何かを始めるのは、別に趣味に限った事じゃない。誰かを好きになるのもめちゃ早い。
そしていつも運命の恋だと信じてやまない。それは小一の頃の隣の席の男子から始まり、以来、何度運命の出会いを繰り返した事か。
かと言って、それが上手くいくはずもなく……。
暁絵に可愛いところが一つもないってわけじゃない。よく見れば丸っこい目も鼻も意外と可愛かったりする。でもやっぱあのキャラが……。あのマイペースで突発的に行動に移すあのキャラが邪魔をする。幼なじみの史香ちゃんは一重まぶたの地味な女の子。でもそっちのほうが雰囲気良くてモテたりする。世の中ってそんなもの。
でも暁絵は決してメゲたりしない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます