最終章『黒幕と真相』
第二十一話『忠誠の陽の蜂、月に舞う蝶』
岐阜城を離れ、琵琶湖の東畔に新しく築いた
家督を継ぎ岐阜城主となった信忠へ、信長は大切にしてきた愛刀 “
秘蔵の名刀は金銀を散りばめた太刀
「なんとまぁ立派なお姿――。母の誇りにございます」
養母となり信忠を育て上げた
帰蝶は
「“初花”の
人の一生は
浄土に比ぶれば夢幻のように短く儚きもの。俗世に生を受けたなら、全身全霊で生きよ! 理想を掲げ、信念をもって生きねば、死人と同じ。必死に生きてこそ、生涯は光を放つのじゃ」
「――」
どんぐりが実る
◇
信長は朝廷より
是により、安土城を御所とし安土幕府を草創――。
しかし、
其の為信長は、
『此の
「
『信長様が天下人となられ、信忠様が御当主に――。誠に喜ばしく存じ奉り候!』と空が笑った気がして、信長も笑みを返し、そして……大いに泣いた。
◇
墓参りを終え坂本城に呼ばれた信長は、憂悶の
「毛利が義昭様の意向により、信長様に敵対を表明した事で、
それに影響された織田家配下 黒井城主“
直正は隣国・
毛利を攻め落とす為にも、京と西国に隣接する丹波の平定は肝要かと」
「であるか――」
信長は新たな争いの火種に一呼吸置き告げる。
「
◇
―1575年―
本願寺
近臣の
「丹波には大きな大名はおらんが、小さな豪族が乱立し連合を組んでおる。しかも山が多く大軍が動かしにくい地形ですぞ」
冷静沈着で状況把握に優れている
「まずは“丹波の赤鬼”直正の黒井城を攻めてはどうじゃろう」と
彼は旺盛な好奇心で挑戦に積極的なのは良いが、興味を持つと試さずにはいられない気性が災いする事も多い。
其れを知る
◇
―1576年―
雪化粧した猪ノ口山周辺に十余の陣を築き、光秀軍は城山を包囲。
「黒井城の兵糧は春まで持たぬであろう」と
「馬……?」
「敵襲――!!」
楽観していた陣中は、蜂の巣をつついたような
信長の朱印状により城攻めに加わっていた
「全軍撤退!!」
光秀軍は坂本城への退却を余儀なくされた――。
“本能寺の変”には『黒幕』がいた――。
この作品は史実を基にしたフィクションであり、作者の妄想が多分に含まれます。何卒ご容赦頂けますと幸いです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます