『敵は、本能寺にあり!』
鐘堂リルア
第一章『蝶鳴く城』
第一話『疎隔の子』
―1582年―
シャープな顎先から流れる美しい輪郭を
ふと注がれた切れ長の視線に彼の心臓は跳ね、無垢な想いが口を
「この先何が起きようと、私を信じてくださりますか……」
「無論」
すぐさま返された言葉に、光秀の迷いは消え去る。
日成らずして、丹波亀山城に
「敵は、本能寺にあり!」
◇
―1556年―
そして正室
道三に牙を剥いたのは彼の長男であり、帰蝶の
帰蝶は人知れず父を
戦渦から戻った信長は、
「帰蝶、力及ばず面目ない……」
深々と頭を下げる夫に、「いえ、父上の為に、かたじけのうございました」と赤い目ながらもグッと涙を堪え低頭。
「お父上にも
ぽつり呟く信長の温かな胸に抱き
二人は確かに、仁愛の心で繋がっていた。
半年後、帰蝶は
◇
信長が家督を継承してからというもの、弟
確かに信長は
平手にしてみれば信長は、小さい頃から頭の回転が速く、人とは違った発想と視点で鋭い質問を投げ掛けてくる利発な子――。
ただ身内を前にした途端、乱暴者となり悪目立ちしたがっているように映る姿は、繊細な信長の、『愛されたい』と願う心の裏返しと捉え、より深く限りない愛情を注ぎ育て上げた。
“
信長と帰蝶の幸せを願い、
“本能寺の変”には『黒幕』がいた――。
この作品は史実を基にしたフィクションであり、作者の妄想が多分に含まれます。何卒ご容赦頂けますと幸いです。
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