第6話 最悪の再会
村から出た後、すぐに近くの街に来た。
京姉の服はボロボロだったから、古着屋で、京姉に似合いそうな服を買った。
「京姉、どうしたの」
「何でもないよ」
可笑しい。
さっき見た笑顔じゃない…さっきより落ち込んでいる様に見えるのは気のせいかな。
そのまま手を引き宿屋に入った。
「…」
「京姉、ゆっくりしよう」
「リヒトくん…抱きたいんでしょう…今脱ぐから抱きなよ…」
「京姉」
「それとも口使いたいの…突っ込んで良いよ…うっうっ」
「違う…」
「きついよ…リヒトくんには知られたく無かったな…私が汚い女だなんて…皆に抱かれている…親類で便所扱いされていたなんて…」
「京姉…だから」
「私、リヒトくんのお父さんには抱かれて無いけど…叔父さんやお爺さんに抱かれたわ…それも普通じゃない抱かれ方だよ…リヒトくんのお母さんに言われたの…『汚い体でうちの息子に近づかないでって』あはははっ凄いでしょう」
「…」
「それに、知っているわ、私をリヒトくんに近づけたく無くて…おじさんやおばさんが夫のゼクト―ルに頼んで結婚させたの…わざとリヒトくんに見える様にしてたの…本当は知っていたわ…私リヒトくんに嫌われるの嫌だからね…我慢して夫婦の営みに見える様にしていたんだ…だけど馬鹿みたい…リヒトくん、全部知っていたんだ」
「…」
「何かいったらどう? 辛いよ…本当に辛いよ…散々おもちゃにされて、体も売らされて家畜扱い…だけど、弟の様に思っていたリヒトくんの奴隷…これが一番辛いよ….」
「京姉」
「ほら抱きなさいよ…使いたかったら口でもお尻でもどうぞ…おもちゃが欲しかったんでしょう」
「俺は京姉が欲しかった…それは本当だよ…」
「ほらね、手に入って良かったわね…ほら何時でも抱けるおもちゃが手に入ったわよ…おめでとう」
「違う」
「なにが違うの? 同じじゃない? ううん奴隷にしただけリヒトくんの方が酷いよ」
「それは謝るよ…これしか手が無かった」
「良かったわね…性処理奴隷が手に入って…だけど…私は便所みたいな女よ…はははっゴミ掴まされて可哀そう…」
「京姉…本当に好きにして良いんだな…」
「文句ないわ…リヒトくんの奴隷だし…あはははっ親族…ううん村全員の便所だからね…」
「解ったよ」
「痛いっ手を引っ張らないで…ついていくわよ…やっぱり変態なのね…外でするんだ…リヒトくんも同じだね」
俺は京姉を連れて冒険者ギルドに来た。
「なにするの…まさか他の人と一緒にまわすの…酷いよ、あははは、そうなんだ」
「違うよ」
「冒険者ギルドへようこそ…今日はどう言ったご用件ですか?」
「結婚したいのでギルド婚用の用紙を下さい…お揃いのペンダントもありますか」
「はい、ただいま用意致します、ペンダントは2つで金貨2枚です」
「リヒトくん…」
「好きにして良いんだろう…ほらサインして」
「これなぁに…」
「あのお連れさん知らないみたいですが大丈夫ですか」
「はい…」
「ああっ、そうですね」
受付嬢は奴隷紋を見て納得したようだ。
奴隷に拒否権は無いからな。
「自由にして良いんだよね…俺は京姉と結婚したい…駄目」
「何がしたいのか解らない…でもいいわ」
京姉はサインしてくれた…
「ありがとう…」
「どうせ...騙されないから…」
俺は続いてサインをして、そのまま書類を提出した。
◆◆◆
「京姉…これ」
「一体何がしたいの…これなに」
「お揃いのペンダント…冒険者が結婚したらお互いにお揃いのペンダントを身につけるんだよ」
「そう…それじゃそれくれるの」
「勿論」
「ううっ、騙されないから、結婚したって養女にしたって、皆、皆…うっうっもう騙されないから…うわぁぁぁん」
「京姉…取り敢えず宿に帰ろう…俺は絶対に酷い事しないから」
「ううっぐすぐす…すん…どうせ奴隷だから…」
どうすれば良いんだろう…今の俺には何も思いつかなかった。
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