『超高級料亭』

やましん(テンパー)

『超高級料亭』


『これも、フィクションであり、このよとは、関係ありません。』



          🌖



有力者たちは、いま、まさに、月の利権を激しく争っていた。




おかみ


 『おだいじんさま、つけだしどす。』


 


おだいじんさま


 『ほう。これは、ぎゅうか。』




おかみ


 『あい。まっさかまさぎゅうの、ピーマンあえルナドレスデンふう。どすえ。』




おだいじんさま


 『ほう。あの、ルナドレスデンか。』




おかみ


 『あい。最近話題の月のまちどす。ま、いっこん。とさっころまん清酒まりょうですえ。』




おだいじんさま


 『あの、いっぽん、200万ドリムのか。』




おかみ


 『あい。サービスですのやで。』




おだいじんさま


 『そ、そりゃ、すまんな。はははははは。』



おかみ


 『ま、第一楽章料理をおもちいたしますによって、ちょっと、おまちい。』




おだいじんさま


 『うむ。はんぺんたは、まだか。』



おかみ


 『もう、まもなく、いらっしゃいますえ。なんでも、九州共和国の首相はんと、会談だとか。』




おだいじんさま


 『ふん、あの、女か。気が合わんな。』



 九州共和国の首相さんは、次期、日本合衆国大統領の最有力候補である。


 はんぺんたさんは、この国最大の、ちょっと強面の、フィクサーである。




         🥩




おかみ


 『料理長さん、いかがどすか?』





料理長さん


 『あいよ。も、できます。』




 調理場というより、大学の研究室である。


 キーボードや、ダイヤル、可変装置がずらっと並ぶのだ。


 最新型の、えーあい調理装置である。


 なんでも、作り出すことができ、創造性も高い。




料理長さん


 『第一楽章は、てぃらのさうるすとすてごさうるすのデスマッチ風ミニステーキ合わせ。いきます。』



 料理長さんが、最後のキーを押した。



 ちーん。


 でかい装置の口が開き、ぼわっとした煙と、芳しい香りと共に、皿に盛り付けられた料理が登場した。


 


料理長さん


 『へい。できやした。』




おかみ


 『ふん。なかなか。しかし、料理長はん、これ、まだ、お皿の上で、お互いに闘ってましなあ。』




料理長さん


 『へい。それが、新趣向。ライブステーキれす。勝ったほうのなかに、負けたほうが、入り込んで行きます。その加減によって、味が変わりやす。へい。』




おかみ


 『あらま。おもしろいなあ。たまちゃん。あたしが、おだいじんさまに、もってきます。どんな顔するか、楽しみやわあ。あ、メインの火星元祖原典ガマダンプラール牛は、手に入ったんか?』



料理長さん


 『あいな。2切れ、三千万ドリムしやしたが。タレレジャ王国の王室から、とくに分けていただきやした。』 



おかみ


 『えー、えー。あの人たちは、いくらでも持ってますやろ。』




 未来は、こうして、作られて行くのである。















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『超高級料亭』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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