第3話

なーんて気になる人の好きなトコロを考えながらハッピーラッキーな一日を過ごす。

移動教室も休み時間も、あと放課後も楽しめるのはある意味才能なんじゃん?

「サン〜!駅前の寿司行くぞ。」

「行く行く〜!あ、藍川さんも来る?」

ピシッと場が凍りついた。主にアキラとミドリの方から。いやいやそいつ誘う?ってハテナがめっちゃ見える。

「行かない。」

これまたピシャッと返答。めげないもん!

「そっかー。新作パフェ出たんだけどな……じゃ、また明日ね♡」

笑顔を崩さず、あたしに少しでも好意ある人を一気に恋へと堕とす笑顔を向ける。

ちょっと目線を上げた藍川さんに更に大きく手を振り、控えめに振り返された手に嬉しさが込みあがったところで、アキラにがしっと手を掴まれた。

「ほらサン行くよ。」

「は〜い。見て見て手振ってくれたの!かわい〜!」

「分かった分かった。」


「だ〜、もうそろ夏服じゃね?衣がえまだ?」

「ちなみにミドリのバカは知らないと思うけど、前後一ヶ月は移行期間だからもう夏服オッケー。」

「まじ?初耳。オレがバカなのも。ってかサンさ、めっちゃ藍川に絡むじゃん。どした?」

「サンはあの子お気に入りだもんね。」

「えへ、バレた?そー、なんかね。」

大事なことは教えてあげない。ごめんねミドリ!

「ねえあの子の性別ってなんだっけ。名前はマリンだけどさ、スラックスじゃん。体育は女子の方にはいないし。」

「男子の方にもいねー。保健室じゃね?」

「いや聞いてんの性別。場所じゃなくて。」

「分かってるっつの!アキラはせっかちだな。」

「あれかな、ほら最近流行ってる……LGBT?ってやつ?あれ、セクシャルうんたら……だっけ。」

「あー、身体は女だけど心は男、みたいな?いいじゃんサン、付き合えるよ。」

「まだそう決まったわけじゃないでしょ。でもそっかぁ……。」

にやにやする二人になんとなく恥ずかしくなり、反論みたいなのをしたくなった。

「まだそんなに藍川さんのこと知らないし……。」

「「じゃあ知ればいいじゃん!」」

親友二人がハモった。

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