少年少女は星を視る。

たま

少年少女は星を視る。

「わ、流れ星!」


 少女が夜空を見上げて叫ぶ。


「あれ飛行機だよ」


 僕はチカチカと明滅しながら、ゆっくり動いている光を見つけた。


「すごーい、いっぱい! 流星群!」

「ねえ、大丈夫? 何が見えてるの?」


 僕は少し困惑する。

 彼女はたまに、こんな風になる。

 見えないものが視えるようになる。




「お願い事しなきゃ! えーっと、美味しい物たくさん食べたい! テストで100点取りたい! あと、最新作のゲームもほしい!」

「欲張りだなぁ」


 思わず笑ってしまうと、少女は照れたように頬を掻いた。


「君もお願い事しなよ」

「えー? 特に欲しい物とかないからなぁ」


 それに、僕には視えないし。


「じゃあ、君の分もお願い叶えてもらうね!」


 少女は夜空に向き直る。




「私たちがずっと一緒にいられますように!」




 それを聞いた途端、顔が一気に熱くなる。


「ね、いいでしょ?」


 こちらを振り返って、ニッと笑う少女。


 あぁ、僕にも星が視える。

 彼女が僕の一番星だ。


 僕も微笑みを返した。



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少年少女は星を視る。 たま @tama03

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