風俗日記

oto

マッチング!!

処女を捨てたい。雑に、未練なく、この上なく適当な男で処女を捨ててしまいたい。


そうと決めたら計画も立てずに行動するのは、私の長所でもあり短所でもあると、担任の山下先生によく言われてます。


山下先生は既婚者で、私の母と不倫しています。山下先生は、今度奥さんとの間に2人目の子供が生まれるらしいです。

そのせいか最近、山下先生は家にあまり来ません。

近頃、母はよく泣いたり、叫んだりしています。

昔から男に依存しては捨てられていく母を見て、何故この人は男なしでは生きていけないのだろうと常々不思議に思っています。


「だって寂しいの」


それが母の口癖です。

小さい頃、私が眠る隣の部屋で男とセックスする母の声は紛れもなく女でした。

そしてまた、寂しさを性行為で埋める愚かな母親を、私は愛しているのです。


私は母を愛しています。

母も私のことを愛しています。ですが、私だけでは駄目なのです。母は母であり、女でもあるのです。

私は母のような女にはなりたくありません。

母のような女になりたくなくなくて勉強しています。が、やはり蛙の子は蛙。

いつか私も母のように男に溺れる日が来るのではないでしょうか。

この毎日のように覗いてくる孤独を、男で紛らわしたいと思ってしまうのかもしれません。


そこで私は最初のセックスを最低最悪なものにしてはどうなのかと思いました。

最低な記憶があれば、セックスを癒しの手段として使うことはないのかもしれない。


私は、母にはなりたくないのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

風俗日記 oto @na0505

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る