「ねぇ、もう私に関わらないで」

　屋上。誰にも人は身を置かない。

　今水の幼馴染、服部和葉が絶交宣言する。

「な、なんだよ。どうして絶交するんだよ。俺達幼馴染だよな？」

「幼馴染？それは前までね。もう私とあなたは幼馴染じゃない。一生関わらないで欲しい！」

「どうして！納得できない！考え直してくれよ！！」

　必死に今水は食い下がる。

「ごめん。もう話しかけないで！いじめをする人間に声を掛けて欲しくないから！」

　踵を返し、和葉はその場を立ち去る。

　岸本の彼女と同じように背中を今水は追う。

「おい！和葉！ちょっと待ってくれ！」

　必死な形相で、今水は和葉へ訴え掛ける。大きな声で叫び続ける。

「ギャアギャアうるさい！しつこいよ！」

　和葉に睨みを効かされ、今水は黙り込む。

　悲しそうに和葉はわなわな肩を震わせる。

「さようなら。もう2度と会話することはないから」

　止めていた歩を和葉は再び進める。佇む今水とはどんどん距離が開く。

「本当に。弱いものいじめなんて最低…」

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