第40話 ギルドランクと不穏な噂
ハンター協会の支部長である八雲さんから電話があり、話があるので都合の良い時に協会に来てもらえないかと言われる。
今日は急ぎの用は無かったので、今日行くことを伝え、ハンター協会へ向かうことにした。
ハンター協会につき、受付の小早川さんに話をする。
「お待ちしておりました、九条様。
ご案内します」
俺は小早川さんに案内され、2階へと向かう。
前を歩く彼女が振りかえり、
「全国大会優勝おめでとう!
蓮くん、カッコよかったわよ」
といつもの感じでからかってきた。
ちょっと、仕返ししたいな。
いつもの応接室につくと、八雲さんと小早川さんと話しを始める。
「久しぶりだね、九条くん。少し遅くなったが全国大会での優勝おめでとう。
あっという間に高校生1位か。凄まじいね」
八雲さんが褒めてくれる。
「ありがとうございます」
強い人に褒めてもらうのは素直に嬉しいな。
その後に早速本題に入っていく。
「協会としてライズギルドのランクをC級に上げようと思う。
所属人数も増え、協会依頼も精力的にこなしてもらえており、十分なレベルと判断したよ」
と八雲さんから伝えられる。
「ありがとうございます、ギルドメンバー全員喜ぶと思います」
俺は素直に返事をした。
ついにランクアップか。
個人のランクアップとはまた違う喜びがあるな。
俺はライズギルドが組織としてひとつ認められたことが嬉しく思った。
「あと、これは噂程度だが、君たちのことをよく思わない者達がいるらしい。直接的に何かされるとかはないとは思うが、注意しておいて欲しい」
これは聞いておいて良かった。
やはりそういう人が出てくるよな。
皆に注意を呼びかけておこう。
「ありがとうございます。十分注意しておきます」
そのあとは全国大会のこととか、世間話しをして終わった。
帰り際、小早川さんからお誘いがくる。
「今日はご飯どうですか?」
「良いですよ、いきましょう」
とすぐ答える。
「えっ?!」
小早川さんは驚いていた。
そんな風に驚くんだな。
いつもの仕返しになったかな。
「協会の仕事が終わったら教えて下さい。
ハンターショップで時間潰してますので。」
俺はそう言い、連絡先を交換した。
小早川さんは嬉しそうに、
「待っていてくださいね」
と足早に戻って行った。
俺はハンターショップで収納バッグをみていた。
値段は都内に土地付きで家が建つくらいだ。やはり欲しいな。
ソロ探索だとドロップ品とかが持ちきれなくなるからなー。けど、高い…
もう少しお金を貯めるか。
そうやって時間を潰していると、小早川さんから連絡が入る。
ハンター協会のビルから出て、少し歩いたところで待ち合わせた。
もう辺りはすっかり暗くなっている。
先に待ち合わせ場所に着いた俺は少しだけ待っていたら、小早川さんが小走りでやってきた。
「遅くなってごめんなさい。
本当に今日は良いんですか?」
と小早川さんが聞いてくる。
「俺も行きたかったので」
俺たちは駅前に新しくできたイタリアンのお店に向かう。
お店は少し混んでいたが、何とか入ることができた。
食事はほとんどが家で自炊して食べていたから、外食は久しぶりだ。
それも小早川さんと一緒というのも不思議なものだな。
小早川さんは蟹クリームパスタを頼み、俺はカルボナーラを頼んだ。
小早川さんと話しつつ食べたからか、とても美味しかった。
また来たいな。
話の内容は動画配信や新しく入ったメンバーについてだ。
ライズギルドの担当である彼女もうちのギルドの内情は知りたいらしく、飽きずに聞いてくれる。
食べ終わり、店を出る。
「ご馳走様。本当に払ってもらっちゃって大丈夫?」
「全然大丈夫ですよ、これでもギルドマスターですよ」
俺は普段は言わないようなことを言っていた。
俺は小早川さんを駅まで見送り、わかれた。
「また一緒にご飯行ってくれる?」
「いいですよ、次はどこに行きましょうね?
また決めましょう」
俺はそう答える。
彼女はそれを聞くと嬉しそうに微笑んで、またねと歩いていった。
俺はギルドホームに戻る。
他の皆は双葉さんの手料理を食べていた。
俺はそこに合流し、ギルドのランクアップと不穏な噂について共有した。
ランクアップの方は皆が喜んでくれ、更に頑張ってB級にいきましょ!と言ってくれている。
噂の方は、1人で夜に出歩くのは避けることなどを話した。
相手がどんな奴らかわからないが、もしうちのメンバーに何かしたら俺は絶対に許さない!
自衛の意味もこめて、どんどんギルドとして大きくなろうと再度心に決めた。
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