ダンジョンで成り上がろうとするのはダメですか?-男子高校生は庭のダンジョンを使い倒す-

辰川ぼたん

第1話 ダンジョン出現

「最悪だ…」


 俺は無意識に呟く。


 自宅の庭の一部に穴が開いており、「ダンジョン」ができていたのだ。

 

 俺は九条くじょうれん


 高校2年生で実家に一人で暮らしている。


 両親は3年前に交通事故で亡くなったため、今はバイトをしながら何とか生活している。


 朝起きて、日の光を浴びようと庭にでて、今に至る。


「ダンジョンの調査をハンター協会に依頼しないとな」


 今から20年前、世界の至る所にダンジョンは出現した。


 出現する場所は、山や森といった人里離れた場所であったり、街中の商業ビルであったりと様々であった。


 ダンジョンの中にはモンスターが生息しており、人々の脅威となったが、対抗するべくハンターという職業がうまれた。


 ダンジョンに潜り、モンスターと戦う人々だ。


 そのハンターをまとめる組織としてハンター協会が存在する。


 ダンジョンを発見した場合、ハンター協会に報告する義務がある。


 ダンジョンは長期間放置されると「ダンジョンブレイク」と呼ばれる現象が起き、ダンジョンからモンスターが外に出てきてしまうからだ。


 それを防ぐため、協会が危険度の高いダンジョンを管理している。


「もしもし、ハンター協会ですか?」


 俺は協会に電話をして、ダンジョン調査を予約した。


 ちょうど枠が空いていて、すぐに調査してくれるそうだ。


「調査がどれほどかかるかわからないし、今日はバイトに行くのは無理そうだな。連絡しないと」


 俺は生活費を稼ぐために、コンビニでバイトをしているので、1日バイトを休むのは痛手だ。


 バイト先のコンビニへ電話をし、店長へ事情を説明して休むことを了承してもらう。


 電話が終わり、少し時間経ったころ、自宅の前に黒のワンボックスカーが止まった。

 協会の人だろう。


「おはようございます。ハンター協会からダンジョンの調査にやって来ました。

 九条さんのご自宅でよろしいでしょうか」


「はい、そうです。朝ダンジョンができていることに気付いて連絡しました。調査の方よろしくお願いします」


 協会の人がダンジョンの中に入っていき、機材を使って調査を始める。


 調査によってダンジョンの規模、危険度などがわかり、協会の管理対象となるかが決まる。


 1時間ほどで調査は終わり、結果を聞いたところ、庭にできたダンジョンは地下4階まであるようだ。


 大きさとして小さい部類であり、そこまで強いモンスターも発生しないタイプらしい。


 よくある下級ダンジョンであり、協会の管理対象外となり、俺としても助かった。


 あまりに強いモンスターが出るダンジョンではハンターに依頼してモンスターを定期的に倒さなくてはならないため、それなりのお金が定期的に必要となり、とてもじゃないが払えない。


 弱いモンスターなら、ある程度装備を整えれば自分でも倒せるはずだ。


 またモンスターを倒すとアイテムをドロップすることがあり、それを換金すればバイト以外でお金を稼ぐことが出来るかもしれない。


 朝にダンジョンを見つけた時は憂鬱な気持ちになったが、考えようによってはチャンスかもしれない。


 ダンジョン調査を終えて帰っていく協会の方を見送りつつ、俺は今後の進め方を頭の中で考えていた。


 今の生活を変えられるかもしれないと、俺は希望を抱いた。


 ――――――――――――――――――


【★あとがき★】


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