愛に落ちるのは倒されてから!!
あぱろう
1章 始まりは結構単純な理由です
第1話 プロローグ
「俺は好きな女の前ではかっこつけて、守ってやりたいんだよ!」
「かっこいいっすね! 私もそんな言葉いってみてー!」
「おう! アイラ! いいか? 力ってのは愛だ! 愛が大きいほど強くなれるんだぜ!」
数十年前、私の師匠がそんなことを言っていた。
「アイラ様ー! こっちむいてー!」
「はーい! アイラブユーです!」
愛の宣教師 シロガネ・アイラ(17歳)
職業 アイドル・冒険者
「きゃー! やばっ、アイラ様からハートウィンクされちゃった!」
「はわわ~! いいなぁ!」
「今日はこれから仕事なんだって! パーティー組んでもらいたいなー」
「無理だよ、アイラ様S級冒険者だもん、私達になんて目もくれないよ」
ふふっ、ふふふふ、今日も今日とて女の子からの声援が届く。
なんて、気持ちがいいんだ!
小さな頃、師匠に教えてもらった心得のお陰で強くなったら、最速でS級冒険者!
やっぱり愛の力は最強ですし!
「師匠ー! 仕事にきったよー!」
「アイラぁ!! また、色んな子に愛を振りまきやがって!! 俺はアイドルなんて認めないぞ! 俺の教えはそういう意味で言ったんじゃ·····」
冒険者ギルドマスター アカボシ・イチヤ|(47歳)
元SS級冒険者 アイラの師匠
「こらっ! あなた! アイラちゃんにあなたの理想を押し付けないの!」
冒険者ギルド経営責任者 アカボシ・ミーヤ
イチヤの妻
「いってー! ミーヤちゃん黒板で叩くなよ! それにアイラは俺の弟子だ!! まったく、俺は1人を一途に愛せって言ったのに! なんでお前は、多くを愛し本命は偶像なんだ!!」
「いいじゃん、師匠! 2次元は最高! 2次元こそ思考! 推しがいるから強くなれる! 推しの為に強くなって稼ぐ!! それが私! ついでに可愛くなって推しに相応しい姿になってぇー! きゃーそしてセイバー様の隣にぃ······」
「だー! もういい! 愛に性別は関係ないと思うが、次元は関係大ありだ! どこで何を間違えた!?」
どこで何をって、なんの間違いもないと思うんだけど。
「はいはい、でも師匠のお陰でここまで強くなったんだからねー愛の力はサイキョーですし~」
「はいはい、二人とも喧嘩しないの、アイラちゃんこれお仕事ね」
「はーい」
そうそう、連絡あってすぐ来たから仕事内容聞いてなかったんだよなー。
「仕事内容はゲルドナドラゴンの討伐、いろんな冒険者が討伐に出て帰ってきてないそうだ。行けるかアイラ」
「もちろん、だけどそれだけ? それだけなら、他にも適任居るんじゃない?」
「お前しか無理だ、なんせ他のSSとS級は全てで払ってるからな、それに結構やばいんだよこの案件、どっかの国の王子がこのドラゴンに攫われたとかなんとかって。今日色んなところのギルドに依頼内容変更して再募集したらしい」
「なるほど、それで直電してきたんですな師匠」
「あぁ、この仕事成功すれば、他のギルドに差が着けられる! 我らギルド 赤星の欠片《スターレット・ピース》をホウエン帝国一にするんだ!」
「了解マスター! そいじゃ行ってきます!」
ドアを開けて外に出ると、ファンの子達が手を振ってくる。
「アイラ様ー!」
「ありがとー! これから仕事だからまったねー!」
大きく手を振り返し、ギルドにあった車に乗って目的地まで向かう。
·····ドラゴンかぁ、久々に大物じゃあないですか。
顔だけには気をつけて戦わないと。
「可愛くて強くなきゃセイバー様の隣に立てないから! セイバー様のヒロインキャラで元ネタ私のキャラが出るまで頑張らなくっちゃ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます