第10話 おっす、オラ億劫、オンモ怖いから登城なんて嫌だぞ
あの日、ウィンザー王国王城の悲劇から早三年
ルーナは、王国誕生祭に聖女認定お披露目会として
王城を訪れる事となった。
王国誕生祭は、初代国王が国王として神に認定された日として
その年に15歳となる国民が職業の認定を行う日となる
金のない辺境の村とかでも国の援助である程度まとまった村を単位として司祭を派遣する
『勇者』や『聖女』などの激レアの職業は、
辺境の村などに発現するケースも多いのだ。
まあ辺境の村にいく司祭は安かろう悪かろうの司祭なので
結構いい加減だったりするが、こればかりは仕方がない
実際には職業適正はもっと早い段階で判明する事が多く
リーナなどの裕福な家は、個別に司祭を呼んで職業判定を行っていた。
職業適正によっては、上流貴族は他家に子供の職業を知られたく無い場合もあり
かつ、早い段階で職業の技術を伸ばした方が有利でもあるからである
王族の職業適正が『農民』とかであった場合に、
流石に民衆に対して示しが付かない
そんな職業適正で、対外的に子供の職業適正を知らせなければならない場合に
家の子の職業適正は、『豊作を司る者』だったよとかのフワッとした表現で表現される事もある
王族で職業適正が『農民』なんてケースがあるのかと思うが
ごく稀ではあるが覚醒遺伝的に発現する場合がある
王族とはいえ、そのルーツを遡れば
結局は農民であったり、羊飼いやひどい時には奴隷王だったりする
職業判定は司祭のもと判定の水晶で確認するのだが、
レアな職業の場合には、水晶の発光の強さや色が違うので
フワッとした表現をしてもおおよそ周りから見られた場合には
ある程度バレてしまう。
だが必ずしも判明した職業につかなければならない訳では無い
例えば判定した職業が鍛治師だった場合でも
人によっては、仕事は別にして趣味で包丁でもとげれば良いやという人もいれば、
職業適正に強く惹かれてしまい国一番の剣を作りたいと言う人もいる
結局は本人次第だが少なくとも職業適正の職業の技術の方が上がりやすい
また、多くは無いが複数の職業適正をもっている場合や
後天的に適正職業が追加される場合もある
さて今回も問題になるのが、
ルーナの職業適正が『聖女』である事
『勇者』『聖女』は国家の垣根をまたがり
国家間で協力する必要がある為
大陸条約で発現した際は大陸全土の国家に通告する必要があると決められている
辺境の村の娘とかであれば別だが
流石に公爵家の娘であるリーナが、後々家の娘が聖女だとかビックリは通用しない
リーナはこの時点で白豚令嬢と言われる体型になっているが
結局は10分程度、スモークをふんだんに焚いた王城のバルコニーから
手を振るだけと言う事で落ちついた。
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