第3話 貴方はガチョピン派?私は断然モック派よ!!

眼を開けると天蓋付きのフカフカのベットに横たわる自分がいた。

どうやら先ほどまで?のやり取りは夢では無かったらしい


横になったまま辺りを見渡すと

豪華な部屋の中に可愛いらしいデザインの家具が揃えられていた。

どうやら私の個室の様だ


個室の中に天蓋つきのベッドでプライベート空間を作るなんてマトリョーシカ?

などと思っていると部屋の豪華なドアが開いて

膨よかな40台手前位のご婦人が銀色のお盆にコップの様なものを乗せて入ってきた。


「お嬢様お目覚めになられたのですね、奥様と旦那様を直ぐお呼びします。!!」

そう叫ぶやいなやドスドスと足音をたてて部屋から廊下に出ていった


とりあえず、ノックにせめて出て行くならドアを閉めて行って

とは言え、先ほどからベッドから上手く起き上がれない事を考えると

病気、もしくは怪我で意識を失っていたのであろう事から、仕方がないかと思える。


雰囲気や呼び方やモロモロを考えると私専属の侍女だろうか?

世の男性諸君すまない

ヒラヒラのメイド服にツインテール、若い可愛い女の子はやはり幻想だった。

冷静に考えると小娘の世話をするのは、ある程度子育ても終わって

経験豊かな女性の方が適任だと思う。


私だって、「良いではないか、良いではないか」と言いつつ、服をヒラヒラさせたかった

あれ、それって馬鹿殿の設定だっけ?


しばらくすると先ほどと同じ様に急ぎ足で、

だがしかし先ほどとは違う軽やかな足音を響かせて

先ほどとは違う女性が部屋の中に入って来た。


若々しく体のラインもとても綺麗で、

出る所は出てくびれている所は凄いくびれている赤髪ストレートロングヘアーの

顔のほりが深い綺麗な女性だった。

瞳もまるで美しいルビーの様なワインレッド

お母様?お姉たま?

うーん、わからん。


「リーナが意識を失って3日も眼を覚さないから、

このまま眼を覚さないかと心配したの。

本当に良かった。」


「ご心配おかけして申し訳ありません、お母様」

潤んだ瞳で今にも泣きそうに、いや実際泣いているのか

そんな姿を見たら自然と言葉が出てきた


母親を見ていると母親の背中越しに、金髪にブラウンの瞳のスマートなおじ様が入って来た。

イケオヤと名付けよう


「体は平気か?

何処か痛む所はあるか?」

イケオヤも優しい声で気づかってくれた


痛い所、痛い所?

上手く起き上がれ無いが痛い所は特に無かった


「お気遣いありがとうございます、お父様。

特に痛む所は無いみたいです。」


「医者にも見て貰ったが、特に外傷は無いと言われたが、

休んで落ち着いたらもう一度医者に見て貰う事にしよう」


贅沢な部屋に優しい両親

転生ガチャだと例えれば、大当たりだろう


私の傍らに寄り添って、いまだに泣いてるお母様の手を取る為、

私はそっと手を伸ばした。


うん?あれおかしいぞ?

私の手がガチョピンの着ぐるみの様に太かった。


あれよね、ガチョピンってあんな着ぐるみ着ているけど、

実はスポーツ万能なのよね

でも生前文化系の私は、ですぞ~と喋りつつ

楽器を見事に奏でるモックの方が断然好きだったのよね

そんなモックに私もなりたい。


って、なりたいわけあるかーいーーーーーーーー

何処の世界に貴族の天蓋付きの個室でモックを飼うんじゃーーーーーー

あれ、だから天蓋付きのカーテンで仕切れるベッド?


って、珍獣飼育セットかーーい!!


私の心の中で嵐が吹き荒れた。

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