姉は実の母親!!

人混みご飯

第1話 前世の記憶

「ピッピッピーー!!試合終了!日本、激戦の末、スペインに3対1で敗北ー!」

日本人のサポーターは、涙を堪えて、「次があるぞー!」や「よくやった!」などの慰めが飛び交う。かたや、スペインサポーターはインタビューで「勝てると思っていたので正直嬉しくない」や「惜しくもなんともない、スペインの圧勝」と日本を小馬鹿にしたような発言が見受けられる、日本だったら即炎上だな、日本の組織力は確かに一流、しかしそれ以外は下の下だな。


「くそ、才能ない奴は辞めちまえ」


俺は才能がないくせに日本代表になったり、大して活躍もしてないのに日本代表というだけで熱烈なファンがいる連中が大嫌いだ。俺は才能を証明するためだけに生まれてきた。俺か俺以外か、俺は圧倒的な瞬足と細やかなボールタッチでU-18日本代表に選ばれ、活躍し、いずれはバロンドール受賞するような選手、、、、の、はずだった。今はこんなだらしない脂肪をまとい、六畳半のこの部屋からここ何年か、出た覚えがない。1日3食の飯、ベットの上にいかがわしいグッズやゲームの数は書き表せない。


「おれ、何やってるんだろな」


時折、自己嫌悪に襲われるときがある。


「気晴らしにコンビニでも行くか」


俺はスマホを持って外へ出た。コンビニまで5分、都内に実家があるって最高だな。


?「あんた、宇治原れい?」


「ああ、よく知ってるな。お前、何者だ?」


「さあな、だがお前に因縁がある者...とだけ言っておこう。」


その刹那、俺の視界は暗くなる。相手の手にはトンカチがありそれを確認したと同時にまた鈍い音と現実から逃げるように俺の意識は消えていった。


あれから何時間が経っただろうか。俺が目を覚ますとそこには古びた天井があった。周りを見ると激しく息切れしている中学生か小学5〜6年生ぐらいの女の子がいる、壁や天井は木造で一昔前の家というのが近い表現になるのだろうか。


「知らない天井だ」


俺は一度は言いたいセリフナンバー2を言った、、、気がした。

(なんだ?声が出ない)


「可愛い男の子と女の子だ〜」


中学生ぐらいの子が喋る。なんだどうなってる?横を見ると赤ん坊が産声を上げている。


「あれぇ?男の子は泣かないね」


その時その女の子は俺を持ち上げ、俺を左右に揺らす。

(バカな!?体重100キロ越えのこの俺を持ち上げた!?しかもこんな女の子が?)


鈍い俺でも気づいた。

俺、転生してるー!?!?!?!



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