猫が世界救うらしい

猫原

プロローグ

その昔、人類は地下で暮らす生き物でした。

昔の更に昔は陸地で生活していましたが、とある大災害が起きてから人々は地下で暮らすことにしたのです。

その大災害というのは、彼方宇宙より5つの光り輝く隕石が地球に落下したことから始まりました。

落下直後から隕石内部より未知のものが大量に飛び出し、地球上の全ての生き物に厄災をもたらしました。

これが皆さんもよく知っての通り地球暗黒時代の始まりです。

そしてそれら未知のものの名前は後に『アグレッサー』と名付けられました。

アグレッサーたちはウイルスほどの大きさで、人の目には見えません。

攻撃性はかなり高く、自分より体の大きな生命体を宿主にして操り攻撃をします。

これにより正確な数値は定かではありませんが、当時80億人いた人口はたったの1日で半数以下の30億人に減少したと言われています。

しかしこれ程の恐ろしい脅威がありながら、人類はなぜ絶滅を免れたのでしょうか。


 …分かりますか?…さん。


大地神の御加護、そうですね。

これが最も重要であることは勿論です。

ですがもう1つ、古代人たちの恥によって皮肉にも生存率が上がった出来事があります。

それは当時世界戦争が勃発する寸前であったため、緊張感から世界中の人々が地下空間に充実した備えを蓄えていた事。

これが無ければ例え大地神の御加護の元でも存続できる可能性はかなり低くなっていたでしょう。


しかし絶滅は免れたとは言え、人類はここから約3000年に渡り地底での生活を余儀なくされました。


…と、ここまでは去年習いましたね。


それではこれから我々が安心してこの地で暮らせるようになった偉大なる『救世主史』を学んでいきましょう。

次のテスト範囲でもありますので、しっかり覚えてくださいね。


救世主史の始まりは人々が地面の下で暮らすようになってから300年後。

大地神の御加護がほんの少しずつ薄れ始めた頃の話です…

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