11話V お祈りメール?死体蹴りメール?

「あ、なんかメール来てる。なんだろう?」


 


何かと思いメールボックスを開くとそこにはデカデカと「一次審査通過のお知らせ」とカオプロから送られてきてた


なんど目を擦っても白目を剥いても通過の文字は変わらなかった


 


「ホワァァァ!!アイエー!一次審査通過!?通過ナンデ!?」


「本当に受かっちゃったんだ、おめでとう」


「いやいやいやいやいやいやいや!おかしいでしょ!そんなわけないって!」


「でも受かってるよ?」


「まーだわかんないですよ!?絶対に面接で落ちますし?我、コミュ障ぞ?」


「お、順調に通過したみたいだね、この調子で面接もいっちゃえ!」


 


今度は壁から全ての元凶がにゅっと生えてきた。やっぱりこいつ人間じゃないよねっていうかそれどころじゃない!


 


「ニャル先生!どうしてくれるんですか!私面接なんて無理だし、緊張してまた殺気ばら撒きますよ!」


「大丈夫だ問題ない、普段通りの君でいいんだよ。あのカオプロの面接官だ、殺気位じゃ動じないよ」


「嘘だ!絶対に「うわー、何こいつ。動画と全然違うじゃん。殺気ばら撒いてるしこわー」って思われますよ!」


「あそこの社長はどうやって採用してると思う?」


「確か…「男はいらねぇ!輝いてるやべー奴を採用するぞ!」って言ってたような…」


「そう、やばい奴っていうのが肝だね」


「でもコミュ障で何も喋れなかったら輝いてないんじゃ…」


「安心して、充分やばいから。輝いてなくても大丈夫、やばかったら」


「えぇ」


 


こいつ!こいつ!マジで簡単に言いやがって!面接受けるなんてそんな簡単に出来るもんじゃないんだぞ!


しかも普段通りで充分やばいって、煽ってくんな!帰れ!


 


「そうかっかしないでよ、びーくーる。落ち着けって」


「貴女が原因だろ!」


「ひえええ、怖い怖い。さっさっと退散しよー」


「逃げるな卑怯者!人でなし!ゴミ!悪魔!畜生!生ゴミ!生きる価値なし!」


「そこまで言わなくてもいいじゃん!!」


 


マジでどうしよう…


 


〜面接当日〜


 


何にも思いつかんかった。終わりだぁぁ!カオプロに恥晒しで終わるんだぁぁぁ!


 


「ふふーん、今日は面接の日。頑張ろうね☆」


「どうやって侵入したかは聞かないけど、そんな容易く「頑張ろうね☆」って言わないでください!」


「おー!めっちゃ似てる!」


「そんなことはどうでもいいんです!あー…マジでどうしよう」


「だーかーらー!普段通りの君で言いって言ってんじゃん!話聞け!」


「普段通りじゃ駄目だから言ってんですよ!」


 


もー、この狂人はマジで他人事だから気楽に言ってくるし後で秘書さんに言いつけとこ


 


「友奈、大丈夫?」


「だ、大問題だ問題しかない」


「大丈夫じゃなさそうだね」


「ところでぇー時間、大丈夫そ?」


「やばい!もうすぐ出ないと間に合わない!逝ってくるね。」


「うん、行ってらっしゃい」


「逝ってらっしゃーい!」


 


あー!終わりだ!何にも思いついてないし!どうしよ!


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


「ただいまー」


「どうだっ…ダメそうだね」


「何話したか覚えてない」


「真っ白になって体の輪郭も怪しいし、相当だったんだね」


「うん…不貞寝する」


「おやすみ」


 


結果?そんなん分かるだろ。緊張し過ぎて事務所に着いたときから頭真っ白になってたし絶対まともに話せてないし会話の内容も覚えてないし…もういいやー


 


「ねぇねぇ、なんかメール来てるよ?」


「うぇ?お祈りメール?死体蹴りメール?」


「それは分かんないけど…カオプロってあるし見てみたら?」


「わかったー」


 


面接終わってまだ1時間位しか経ってないし、酷すぎて速攻落とされてお祈りメール来たのかな?


そう思ってメールを開いてみる


 


「  !!    !!!!」


「え!?合格?おめでとう!!」


「受かった!成し遂げた!やったァァ!」


 


そこには合格と書いてあった。イヤッフー!!やったよ!お母さん!お父さん!妹!私、夢を叶えたよ!vtuberになれたよ!ありがとう皆ぁ!そしてf○ck you!天井から生えてるやつ。少しは感謝するけどお前は絶対に殴る


 


「受かったじゃーん!おめでとう!これも私のお陰だね!膝をついて私を敬え!崇めよ!讃えよ!」


「ありがとうそして死ね」


「グボァ」


 


ふー!スッキリした!ドヤ顔で私がやりましたって顔に書いてあったからつい(態と)顔面を思いっ切り殴っちゃった!


まあいいや、悪は滅びた。


 


「ふぅ…とりあえずこれで君もvtuberの仲間入りだね☆これから色々あるだろうし頑張ってね☆」


「あれ?何か知らない人からアンコが」


「合格通知はちゃんと読みなよー?書いてあるじゃん勝手にマネージャーとアンコでフレンドになるって」


「あ、確かに書いてある。えーっと、なになに?」


 


『合格おめでとうございます!マネージャーの宮原夏樹みやはらなつきです!よろしくお願いします』


『突然で申し訳ないんですけど…後3時間で初配信してもらいます。突然でごめんなさい』


 


「ふぁーw後3時間で初配信だって!やっぱカオプロだ!」


「笑い事じゃないですよ!」


 


『3時間…ですか?3日じゃなくて?』


『はい、3時間です。データを送って指示を出すので、配信の準備を頑張ってください!』


 


クソが!おかしいだろ!全然配信とかの準備してないって!カオプロにも程があるよ!


──────────────────────

時雨友奈

なんで受かったんだろう?


草薙美月

やっぱりフラグだったね。合格おめでとう


宮原夏樹

これでも1期生のマネージャーを担当してたり凄い人


ニャル先生

この後秘書にチョークスリーパーを喰らって首の骨が折れた


ニャル先生の秘書

ニャル先生のやらかしの後処理をしたりニャル先生をシバいたりする常識人


アンコ

正式名称はアンコードでディ○コードみたいなもの

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