始めさせられるカオスなvtuber生活

10話V んーwwwwEZ、対ありでした。

「美月、これ見て。」


「カオスプロダクション第4期生募集?」


「そう!私もやってみたいなぁ」


 


自己紹介の後何日か経って美月にも慣れて敬語も外れた頃にカオスプロダクション4期生の募集がされていた。


 


「やってみたら?」


「そう簡単に言われても、私コミュ障だし…」


「案外受かるかもよ?」


「いやいやいや、そんなことないよ。大体面接の時に緊張して何も話せなくて落ちるって」


「えー、そうかなぁ?あのカオプロだよ」


「でもなぁ」


 


やってみたいとは思うけどやっぱり勇気が出ないなぁ。一応応募の動画は昔に作ってあるけど結局応募できなくて放置してるんだよねぇ


 


「友奈はキャラを演じるのが得意だったよね」


「うん、そうだけど…どうかしたの?」


「じゃあ面接のときに役を演じて受ければいいんじゃない?」


「そんな簡単に出来るかな?他人の前でやってみたこと無いから出来ないと思うけど」


 


私は幼い頃から喉を虐めまくったのでどんな声でも出せるからよくキャラの声真似とかしてて役を演じるのは得意だけど他人の前でやるのは無理かなぁ


 


「お!面白そうなもんはっけーん!」


「学園長?なぜ部屋にいるんですか?」


 


なんかいるんだけどぉ!怖すぎるだろこいつ、不法侵入もいいところだぞ


 


「ニャル先生って呼ばないと退学にするぞ☆」


「ニャル先生、どうやって入ってきたんですか?」


「んー?まじゅちゅ」


「そうですか…それよりどうして来たんです?」


「知りたい?ねぇねぇ知りたい?そっかぁ、そこまで知りたいならしょうがないにゃあ、特別にほんとーに特別に教えてあげよっかなぁ?」


 


めっちゃウザいんだけど、しかもこのセリフを煽り顔で言ってきてるからめっちゃ殴りたい。こいつが学園長じゃなかったら絶対に顔面殴ってた


 


「「じゃあいいですー」」


「聞いてよー!」


((面倒臭いなこの人))


「どうして来たんですか?」


「それはねぇ………………面白そうだったからだよ!」


「面白そう、ですか?」


「うん!なんてったって私の本業の話をしてるのが校長室から聞こえたからね!」


「「えぇ…」」


 


校長室から聞こえるってどんな耳してるんだよこの人


 


「というか本業ってなんですか?」


「だからさっき話してたやつだよー」


「さっきの話って、vtuberですか?」


「ざっつらいと!」


「え!?学園長の方が本業じゃないんですか?」


「そっちも本業」


「両方本業ってことですか?」


「そうそう」


 


学園長とvtuber兼任ってやってることイカれてるし軽々しく本業がvtuberって言っちゃっていいものじゃないでしょ


 


「聞いてた限り友奈ちゃんは応募する勇気が無いみたいだネ」


「は、はい。そうです」


「ふむふむ、送信ボタンはこれだよね」


「そうですけど…もしかして!」


 


慌ててこの狂人を止めようとするがそれは叶わなかった


 


「いいや限界だ!押すね!」


「まってー!」


ポチッ


「んーwwwwEZ、対ありでした。なんで負けたか明日までに考えといてください」


「ウワァァ!!」


 


こいつ!こいつマジでやりやがった!応募しやがったぞこいつ!マジでふざけやがって!私が迷ってたのを迷いなく応募しやがった!ふざけるなぁ!


 


「来いよ友奈。迷いなんか捨ててかかってこい

一視聴者として見るだけじゃ物足りないだろう?vtuberになっててぇてぇを間近で見るのが望みだったんだろう

さぁ、迷いを捨てろ、賽は投げられた。せっかくのチャンスをふいにしたくはないだろう?

来いよ友奈、お前の執念はそんな物か?」


「やってやる!もう迷いなんか必要ねぇ、当然躊躇も必要ねぇ。……誰が面接なんか。一対多数なんて怖かねぇ!

野郎ぶっ殺してやらぁぁぁ!!」


「勇者よ、よくぞ言い切った。という訳でユーを誘拐しマース!!」


 


なんかノリに乗ったらニャル先生に担がれて誘拐されてます。誰か助けて!ヘルプミー!美月ー!優華ー!誰でもいいからヘルプミー!


 


「……え?私、取り残されちゃった…」


 


 


「とうちゃーく!今日からここは君の部室でーす!」


 


なんか案内されたのはストリーマー部と書かれた看板が吊るされている部屋だった。というかここで配信するなら他の人も一緒の部屋で配信してるから声が乗っちゃうんじゃないかな?


「声が乗るとかお思いで?」


「え?、ま、まあそうですね」


「チッチッチッ、甘いなぁその思考。味覚破壊シリーズの3分の1位甘いなぁ。」


「な、何か対策してるんですか?」


「まあまあ、それは入ってからのお楽しみってことでドーン!!突撃!お前が晩ご飯!」


「そ、そんな音立てて開けたら中の人の配信に乗っちゃいますよ!」


「ふふーん、中を見てみて」


「え?これは…」


部屋の内装は普通の事務所みたいだったけど明らかに扉が複数ある。


もしかして扉の先って個室になってるのかな?



「気付いたと思うけど扉の先は完全防音の個室になってて外からも中からも一切音を通さないからいくら騒いでも大丈夫だよ」


「それって中で何かあったらどうするんですか?」


「え?それは異常を察知するシステムがあるから安心して。」


「というか私を何で今連れてきたんですか?」


 


まだ内定をもらっていないから受かるかどうか分らないはずなのにまるで確定事項のようにここを案内しているから結構疑問なんだよね


 


「それはねぇ、私は君が受かるって確信してるからだよ?」


「まるで面接官みたいな物言いですね」


「ふふん!とりあえず君の部活をストリーマー部にしといたから、君がvtuberになったら配信するときにここを使ってね!私は君を応援しているよ。」


 


そう言い残してニャル先生は消えやがった。


それも私を残したまま。ちゃんと誘拐したら責任をもって元いた場所に返してくれよ!


 


「せめて返して欲しかったなぁ」


「その願い、叶えてしんぜよう!勇敢なる者よ、現へと帰るがいい。」


「え?まぶし!」


 


ニャル先生の声が聞こえたと思ったら突然目の前が真っ白になって気付いたら寮の自室にいた


 

「あ、友奈。心配したんだよ?大丈夫?」


「美月!大丈夫だから安心して」


「よかった…というか応募しちゃったね」


「う…ノリであんな啖呵切ったけどやっぱり不安だなぁ」


「(立派な啖呵切ったんだから逃げるなよぉ!)」


「こいつ、脳内に直接…!」


「大丈夫?」


「うん、大丈夫だけど大丈夫じゃないから安心して。」


 


はぁ、まあいいや。どうせ最初の書類選考の時点で落ちるだろうし面接まで行くことなんて無いか!


──────────────────────

時雨友奈

演技をするときはそのキャラに本気で成り切るためスラスラとセリフが出てきて全く吃らなくなり行動や思考、言動もイメージしているキャラになる


草薙美月

フラグだなぁ


ニャル先生

ふふふ、どこにいようとこのニャルちゃんイヤーからは逃れられないぞ!


ストリーマー部

様々な配信者が集まっていて殆どが成功していて人気配信者になっている

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