第22話 リュートの姫君 その2

先にアーシュさんが行くの場合


「まったく手間のかかるワン子だ!財布は?あった」と

アーシュさんが階段から降りて来たアーシュさんがワン子さんの財布を拾う。

「すみません!アーシュさん」

「やれやれ」と言いながら 

少し笑って、わん子さんの頭をなでる。

「え?」アーシュさん??


次に何気なく広場を見ると

そこに立つリュートを持ったひときわ美しい歌姫


「すごい美人だ!エイルさんが甘い香りのパステルピンクのバラなら

この人は白百合か白い牡丹の様だワン アーシュさん」


そのリュートを持った歌姫さんを見るなり、

アーシュさんの表情が豹変した!!

「おまえは!!」見たこともないすざまじい怒りの表情!怒ってる!!


手から火がじわ~とすこしずつ燃えだしてる

目が怖い!! 元から目つきが悪いから すごく怖い~!!!


リュートの歌姫さんは・・・・

......


微笑んでいる たとえようもなく

嬉しげに、愛しげに…


だが、次の瞬間 彼女の表情も一変した!



彼女の手からすざまじい炎が生まれる!

その炎をアーシュさんに投げた!!


「アーシュさん!!危ないワン!」

避ける事もせず、その炎を受け止め 彼女に投げ返す!


さっ!と素早い動きで避け 次は魔法で創り出した銀色の小剣で、

アーシュさんに襲いかかる!


騒ぎに広場の人たちは、悲鳴をあげ、隅へ避難する。


そんな中

アーシュさんもまた、魔法で、剣を創りだして、剣の攻撃をかわす!

剣を交わすうちに


アーシュさんの剣は、リュートの歌姫の肩の衣を裂く

現れたのは、まじないの文様の刺青!


嬉しげに笑うリュートの姫君!

「会えてうれしい! 目の前に貴方がいる!!」

「私は貴方を殺したいほど、愛しいの」


そして耳元でアーシュにささやく!


私のいれずみの文様に触れないでね

貴方を邪魔に思う者たちが私に彫った

まじないがかかっているから


手加減せず 殺してしまうかもよ」楽し気に笑う


「ねえ、私に貴方は殺せないと思ってる?

私と貴方は、同じ魔力と力があるの」


「知ってる 異母兄妹だからな

しかも人間の母親を持った俺より 魔力は上だろう?」

「遠慮しないで 俺を殺してみろ!」


?なんだ聞こえない!何を話してるんだワン!!気になるワン!


「ピピイイイ」騒ぎを聞きつけた小鳥さんが遅れて現れた!

「ピイイイー!!!」やめてとばかり 

甲高い声で叫ぶ小鳥さんことエイルさん


アーシュさんの動きが止まった。


「今日はやめておく」


「あら、なぜ?貴方の大事な人に ひどい事をした私を見逃すの?」

黙っているアーシュに彼女は去り際に、耳元でささやく。


「いつか、私を殺して…」目に涙を潤ませる。

それから彼女は去っていった。

「誰?ですか? すごい美人でしたね?ワン」ワン子

続けて‥ワン子

 

「しかし、今のバトルはすごかったです ああ、びっくりした」


「もしかして  その...聞いていいのかなワン?

前にアーシュさんを狙った殺し屋さんですかワン?」


「あれは俺の兄妹」と小さな声でつぶやく。


「えっ?アーシュさん 今なんて言ったですワン?」

「なんでもないワン子 気にするな」アーシュの一言



そこでワン子さんのお腹がぐう~と鳴る 


アーシュさんが大笑いして

「食事にするか?エイルもお腹がすいたじゃない?」と明るく一言

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