(超・改訂版)好きな幼馴染と仲の良い後輩が共同で俺に嘘コクをした。もう恋は出来ないだろう。何?今更恋って遅過ぎるんだが

アキノリ@pokkey11.1

第一章 世界の2つのイジメられた少女達と

恨み

第1話 恨まれる少年と救ってほしかった少女

この世界は無情に俺、須藤正(すどうただし)に向いているという部分もあろう。

短髪の黒髪。

そして目付きが若干鋭い俺に、だ。

俺は昔からボッチで悪どいとは言われている。


今俺は世界を歪ませて歪まされた。

俺は目の前の幼馴染を見る。

告白があると言われて俺も告白しようと思って来たらこの様か。

2人が共同して俺の心を弄んだ様だ。


「罠に引っ掛かったんだよ。君は」


「お前な」


「私は.....貴方を許せない」


「.....最低だな」


「最低なのはどっちかな」


「俺に最低な面があるとでも?」


そうだね。忘れたとは言わせない。

私が、とそこまで言ってから眉を顰めて言葉を切った幼馴染の山吹梅(やまぶきうめ)。


黒髪の長い髪に。

そして顔立ちは小さく.....美少女だ。

幼馴染であるが。

ヘアピンを1本だけ前髪にしている。


確かに俺はあの時。

最低な事をしたとは思う。

何故ならあの時だが俺はコイツを見捨てた。

見ず知らずな感じをしたから、だ。


「その時の復讐に近いって事か」


「いじめっ子からいじめを受けていた。でも貴方は私を救うどころか。私に対して外野の立場になって逃げて.....救わなかったよね」


「そうだな。確かにそれはその通りだ。それにも理由があったんだが、って言っても聞いてくれないとは思うが」


「理由なんてどうでも良いよ。ねえ。何でそんな真似をしたの?私は救って欲しかった。.....貴方に救って欲しかった」


「まあそうだな」


忘れもしない。

中学2年生の冬の事だ。

俺は酷いイジメを受けているコイツを、とは思う。


でも勘違いしないで欲しいのは。

救わなかったんじゃない。

(救えなかった)んだ。


「なあ。何で今なんだ」


「.....私を好きって聞いたから今にした」


「まあ確かにお前の事は好きだけどな」


「そう.....でももう.....」


「そうだな」


俺は考えながら梅を見る。

そして盛大に溜息を吐いてから、じゃあ帰る、と俺は踵を返す。

梅は何も言わずに俺を見送る。

それから階段を降りるとそこに後輩が居た。

美少女の後輩さん。


名前は佐藤美津(さとうみつ)という。

その容姿としては栗毛色のボブ。

そして顔立ちは笑顔が絶えない様な可愛い系、である。

俺はその姿を見ながら盛大に溜息を吐く。


「.....美津。どういうつもりだ。お前とは仲が良かったのに」


「私はそうは思いませんでした。先輩は憎い存在でした。覚えていますか?私の妹を公園でイジメられて助けてくれなかった事を」


「.....」


確かにな。

コイツの妹だったんだな、と思う。

今更そんな事を考えても仕方が無いが。

でもそれも.....助けなかった、のではない。


それもきっと助けれなかった、のである。

だけどそんな事を説明しても無駄だろうな。

何れにせよこうなった以上は俺はもう関わり合う事は無いだろう。

思いながら俺は、分かった。もう関わらないよ。お前とも妹さんとも、と言う。


「.....そうですね」


「お前と関わる事も無いし幼馴染と関わる事ももう無いだろうと思うから安心して生きてほしい」


俺は考えながらそう言葉を告げてから頭を下げる。

それからそのまま歩いて行こうとした時。

何で助けてくれなかったんですか?、と聞いてくる美津。


俺はその言葉に、助けれなかったんじゃ無い。

でも助けれなかったという事にしておいてくれ、と告げる。

そしてそのままその場から立ち去る。



梅と美津には共通点がある。

それは何かといえば、イジメ、である。

まあパターンが違うので何とも言えないが。


梅の場合は自ら。

そして美津の場合、妹さんが。

それぞれイジメを受けていたのだ。

俺はその事で復讐を受けた様である。

考えながら俺は教室に戻ると。


「やあ」


「.....よお。七色」


「しんみりしているが大丈夫かね」


目の前に女友達で友人の蘭子。

向島蘭子(ほおじまらんこ)がやって来た。

そして俺を心配げに見てくる。

右髪のおさげ髪が特徴的な笑顔の絶えない柔和な生徒である。

美少女といえる。


「.....振られたからな」


「え?そうだったのかい?」


「そうだな」


「.....因みになんて言って振られたんだい」


「色々な。そこら辺は言えないがまあ色々」


「そうだったのか。大変だったね」


俺を見ながら複雑な顔をする。

それから俺を見てくる蘭子。

俺は、変わらずだな、と思いながら蘭子を見ながら苦笑する。

それから俺は席に戻り教科書を出しながらそのまま準備をする。

そうしていると、まあ失恋は珍しい事じゃ無いから、と蘭子が俺に向いてくる。


「何なら私を選んでみるかい?」


「選んでみるってどういう事だ。冗談でもよしてくれ。俺はもう恋はしない」


「.....そうなんだね。残念だ」


「ああ」


その通りだ。

もう恋はしないだろうな。

思いながら俺は窓から外を見る。


そして溜息を吐く。

それから俺は過去の事を思い出してみた。

あの冬は地獄だったな、と。

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