第150話 野営訓練開幕
『ご主人様、やっとナナ班全ての班員の個別面談が終わりましたね!』
サクラ・ラクーンとの話が終わると、鑑定スキルが話し掛けてくる。
「ああ。やっと終わった。ナナを狙う男子班員に、牽制(脅し)もできたし、カイ・ホークや、サクラ・ラクーンとかの逸材とも出逢えたし、この2人は、絶対に俺の陣営に入れたいよな!」
『サクラさんの狸寝入りスキル。これはやっぱり凄いですよね!
幽体離脱出来ちゃうとか、これでスーザンさんの索敵Lv.4の替わりになりますよ!』
「ああ。どこでも侵入出来ちゃうって脅威だよな!俺も、幽体離脱してみたいぜ!」
『今でも幽体離脱してるようなもんじゃないですか?
ずっと、ナナさんを監視カメラで監視してる訳ですし?』
「アホか!生で見るのと、モニター越しでナナを見るのは、全然違うんだよ!」
『ご主人様は、ナマが好きと。メモメモ』
「お前、言い方!」
『すみません。幽体離脱して、透明になって、ナマでナナさんを見たいんですよね?
そして、存分に勃起したいという事ですよね?僕的に、なんか変質者のように思えるんですけど?』
「断じて違う! 俺は、間近でナナを見たいだけ!」
『その件については、いくら話しても不毛そうなので、次の話に移りますよ。こっちの方が、重要案件ですので!
カイ・ホーク君に、大森林の木で作った木刀あげて良かったんですか?
アレも、人にあげていいものでは、ないと思うんですが?』
鑑定スキルが、心配そうに聞いてくる。
「バッキャロー! カイ・ホークは、悪い虫からナナを守ると誓ってくれたんだぞ!
そんな事言われたら、俺も、男を見せるしかねーだろうがよ!」
『それで、ミスリルでも豆腐のように切っちゃう、大森林の木刀あげちゃったんですか……』
「ああ! ナナを守るのには、大森林の木刀でも駄目だと思うぐらいだ!
聖剣ムラサメを与えても、良かったかなと、正直思ってるぐらいだし!」
『アホですか! ご主人様は、どんだけシスコンなんですか!
そもそも、聖剣ムラサメは、ご主人様しか使えませんから!
あんなメチャクチャなぶっ壊れ剣持ったら、普通の人は、生気を吸われて干からびちゃうんですよ!』
「だから、仕方が無く大森林の木刀を渡したんだろ!」
俺は、必死に言い訳する。だけれども、確かに大森林の木刀は、与えては駄目なものだったかもしれない。
だって、殆どの剣士は、鉄の剣を使ってるし、剣豪と言われる僅かな人達が高価なミスリル剣を使ってる。それを木刀で斬られちゃったら、ショックを受けてしまうだろう。
多分、大森林の木刀を持つカイ・ホークと戦える者と言ったら、大戦の英雄エドソンとか、剣鬼カレンや、アン姉ちゃん、それからコナンとか限られた者達しか居なくなってしまう。
なんか、不味かったかなと思い、今更ながら冷や汗が出て来た。
これは、取り扱い注意と、しっかり、カイ・ホークに言っとかないとと思う、ヨナンであった。
ーーー
個別面談から、2週間が経ち、ついに1年生の野営訓練が始まった。
計画通りに、ナナ班の底上げは成功し、サクラ・ラクーンの狸寝入りスキルは、見事にLv.3に至ったのであった。
『サクラさんの特訓凄かったですよね!』
鑑定スキルが、興奮しながら話し掛けてくる。
「だな、Lv.2に上がって、幽体離脱出来るようになるのは、意外と早かったが、それからが酷かったもんな……」
そう、サクラ・ラクーンは、幽体離脱出来るようになると、すぐさま、俺が与えた学園内で男同士で付き合ってる人メモを見て、いきなり、男同士の濡れ場を幽体離脱して見に行ってしまったのだ。
そして、幽体離脱出来る時間を何度過ぎそうになって、死にかけたか……
なんとか、索敵Lv.4を持ってるスーザン・スパイダーが、幽体離脱中のサクラを索敵出来たから良かったけど、スーザンが居なかったら、何度死んでた事やら。
いちいち、俺の女騎士(くノ一)が、男同士の濡れ場に踏み込んで、早くサクラに体に戻るようにと伝えに行ってたし……
実際、3回程度、体に戻るのが遅れて、世界樹の葉で生き返させてるし……
まあ、俺が趣味に、幽体離脱を使う事は悪い事では無いと言った手前、しっかりと面倒見てるんだけどね。
そして、サクラ・ラクーンは、何度も俺に命を助けられてる事と、俺に自分のBL趣味を知られてるという弱味もあるのか、すっかり俺に心酔してるようだし。
『ご主人様、また一人、ヨナン教の信者を増やす事に成功しましたね!』
鑑定スキルは、嬉しそうに話してくる。
まあ、サクラは、ナナの親友という事もあり、生ナナ情報をヨナンに与えてくれるので、ヨナンにとっても貴重な人材なんだけどね。
そんな、サクラ・ラクーンと、絶対服従を誓うカイ・ホークを影から操り、ヨナンは、必ず、ナナ班を野営訓練で優勝させると心に誓ったのだった。
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