第116話 アレクサンダー生徒会長代理
カレンと、アン姉ちゃんと、カトリーヌが居なくなった事で、学園生活は平穏に過ぎて行く。
てか、そんな訳は全くなく、俺はアレクサンダー君に無理難題を押し付けられて、四苦八苦してた。
まあ、生徒会長のカレンが、カララムダンジョンに籠ってしまって、生徒会の仕事が滞り、代わりにアレクサンダー君が、生徒会長代理をやる事になったからなんだけど。
で、アレクサンダー君は、事有る事に、俺に命令して来るのだ。
「お主は、ワシの親友だろ?」とか、言って。
本当に、忙し過ぎる。
他の人にも、仕事を頼めばいいのに。
『しょうがないですよ。アレクサンダー君は、男友達がご主人様しか居ないんですから!』
鑑定スキルが、俺を窘めてくる。
確かに、アレクサンダー君は、女生徒は侍らしてるが、男友達が1人も居ないボッチ野郎だ。
流石に、若返る前の1度目の学生の時は、男友達も居たと思うけど。今回は、男友達が1人出来ないようである。
だって、アレクサンダー君は、現役の王様だし、見た目は若いけど、中身はジジイだし。
まあ、ルイ王子を、王様代理にはしてるけど、学園を卒業したら、また、王様ヤル気満々だし。
誰が、現役王様と友達になれるかって言うの!
恐れ多すぎて、誰も話し掛けられないちゅーの!
『だから、男子では、ご主人様しか頼れる人が居ないんですよね』
「だからって、俺に仕事を押し付け過ぎだろ! 過労死するわ!」
『だけど、ご主人様、楽しそうに仕事してるじゃないですか?』
「しょうがないだろ! 俺は、そういう性格してるんだから!
何でも、やり始めると楽しくなって来ちゃうんだよ!」
『ランナーズハイみたいな感じですか?』
「そう。特に単純作業だと、燃えるんだよね。勝手にタイム測って、どんだけ速く仕事が出来るかと、試行錯誤するのが特に!」
『ご主人様みたいな人が、社畜になってしまうんですね!』
「お前、俺を貶してるのか?」
『貶してませんよ! 僕は、社畜は必要悪だと思ってますから!
誰もが楽な仕事ばかりしてたら、社会主義みたいになって、貧乏国家になってしまいますからね!」
「お前、鑑定スキルだからって、哲学的なこと言うのな」
『今のは、全く、哲学的じゃないですよ! 本気を出したら、こんなもんじゃないですからね!
僕は、鑑定スキルLv.3だから、言葉選びも取捨選択出来るんです!
しっかりと、ご主人様の頭に合わせて、話してます!』
鑑定スキルは、何故か、自信満々に言い切る。まあ、鑑定スキルだから嘘が言えないので、しょうがないんだけど。
「あの……もっとオブラートに包んで言ってくれない? お前の、嘘が言えないとかいう設定、本当に俺の心をズタズタに傷つけるんだけど……」
『その点は、諦めて下さい。僕の言葉は、全く悪気が無い真実なので!』
「全く悪気が無い真実だと分かってるからこそ、より俺は傷つくんだよ!」
とか、いつものように、知らない人が見たら、ヤバい独り言を言ってるようにしか見えない、鑑定スキルとの楽しい会話をしてると、生徒会長代理のアレクサンダー君が、俺の仕事ぶりを見にやって来た。
「ウム。はかどっているようだな!」
「はかどってるって、これ、もう校舎の修繕じゃなくて、校舎の建て替えですよね!」
そう。俺は、アレクサンダー生徒会長代理に命令されて、古い校舎の建て替えをさせられていたのだ。
「ワシが生徒会長代理をしてるウチに、カララム王国学園の建物を、全て新しくしようと思ってな!」
「アンタ、俺を使えば、全てタダで出来ると思ってるだろ!」
俺は、最近、本当に、アレクサンダー君に馬車馬のように働かせられて、メチャクチャ頭に来てるのだ。
もう、例え王様であっても、アンタ呼ばわりで問題無いのである。
それくらい、俺は怒り心頭なのだ。
実際、既に、カララム王国学園の半分の校舎の建て替えが終わってるし。
お金に換算したら、100億マーブルは下らないし。
アレクサンダー君は、自分が生徒会長代理をしてるうちに、生徒会長の強権を使って、俺にタダ働きさせる気満々なのである。校舎の建て替えに、公費使わなくて良くなるし。
「お主も、カララム王国の国王に、頼りにされて嬉しいであろう! カッカッカッカッカッ!」
アレクサンダー君は、何が楽しいのか高笑い。
「嬉しいのは、お前だけだろ!公費節約出来る訳だしな!」
とかは、思ってても言わない。あまり文句を言い過ぎると、不敬罪で打首になるかもしれないし。
まあ、本当の所は、校舎の建て替えは俺がやらないといけない仕事なのだ。
だって、カララム王国学園の地下には、勝手に地下宮殿を作ってるし、下手に地盤調査とかされたら、地下を勝手に使ってるのバレちゃうし。
なので、1000年経っても壊れない校舎を建て替えてやった。
多分、俺以外の人間では、破壊出来ないぐらいに頑丈に。
下手に壊されると、学園の地下を勝手に使ってるのバレちゃうしね!
『本当に、ヤバいですね。この校舎……アダマンタイトミスリル合金をふんだんに使ってますから、多分、核ミサイルが命中しても、ビクともしませんよ!』
鑑定スキルが、念話で、俺だけに話し掛けてくる。
「ああ。地上の校舎郡のお陰で、地下宮殿なんか、隕石が堕ちて来たとしても、きっと大丈夫だな!」
てな感じで、俺は、結局、カララム王国学園の全ての建物を建て替えてしまったのだった。当たり前のように、学園中にカメラを設置するのは忘れていない。
前は後付けだったが、今度は造り付けなので、絶対にカメラが設置してあるとは分からない。
ん?エロ野郎だって?
別に俺は、除きが趣味ではないのだ。ただ、鑑定スキルが付けてと言うから。
鑑定スキルは、知りたがりなので、学園の事を隅々まで知りたいのである。
『なんか、言い方悪いですよ! 僕は、ただスキルとしての役目を果たしてるだけですからね!』
「だな。お前、スーザンがオ○ニーしてるの毎日、見てたんだもんな!」
そう。鑑定スキルは仕事と称して、スーザンが徹夜でオ○ニーしてるのを、ずっと見てたらしいのだ。これが本当の徹マン。
『ただ、データベースに記憶してただけですから! マジマジ見てませんからね!
なにせ、僕はスキルだから、性欲とか有りませんし!』
何故か、鑑定スキルは、必死になって言い訳した。
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