第110話 スパイダーデス!
種族: スパイダーデス!
称号: ヨナンのペット、世界樹の護り手
スキル: 風魔法Lv.4、操糸Lv.8、毒生成Lv.9、薬生成Lv.5、織物Lv.5
力: 5000
HP: 4500
MP: 6666
因みに、これがデススパイダー改め、スパイダーデス!のステータス。
多分、世界樹の護り手となったので、流石にデススパイダーじゃ、名前が怖すぎるという事で、スパイダーデス!に読み方を変える事としたのだろう。
「なんか、俺のペットって称号が付いてんだけど……」
『そんなことより、世界樹の守護者のほうが重要でしょ!』
ヨナンの呟きに、鑑定スキルが反応する。
「だな。スパイダーデス!も、レッドドラゴンやハイエルフみたいに世界樹の守護者になっちゃったんだね。これは、ますます世界樹の防備が万全になったという理解で、正解なのか?」
『ですね。蜘蛛と森の組み合わせって、相当強力ですよ。森に張った蜘蛛の巣で、侵入者を絡め取り、そして、レッドドラゴンさんが、捕まった侵入者をファイアーブレスで消し炭にするんです!』
「そんな事したら、大森林が燃えちゃうんじゃないのか?」
『僕の鑑定によると、レッドドラゴンさんのファイアーブレスは、大森林を燃やさないらしいですよ!』
「すげえな……」
とか話してると、
キュィ!
『ご主人様、なんかスパイダーデス君が、早く世界樹に向かわないと行けないとか言ってますよ!』
「そりゃあ、世界樹の雫をかけられて、世界樹の守護者になったんだから、世界樹を守りに行かないといけないよな」
『ですね!』
てな訳で、俺のペットの筈なのに、いきなりスパイダーデス君とお別れ。
まあどっちみち、カララム王都の家で飼えないから、しょうがないんだけどね。
「そんじゃあな!」
キュィ!
スパイダーデス君は、右脚を上げてバイバイしてから、ダンジョンを、猛スピードで駆け下って行ったのだった。
「で、陛下。これでも世界樹の雫を飲みますか?」
スパイダーデス君との涙涙のお別れの後、俺は、一応、アレクサンダー君に確認を取る。
「ウム。止めておくとしよう。流石に、不老不死になって、悠久の時を世界樹と共に過ごすのは、飽きそうなのでな!
ワシって、結構、アグレッシブだから、エルフみたいに、森でのんびり暮らす事など無理じゃしな!カッカッカッカッカッカッ!」
なんか、アレクサンダー君は、高笑いして諦めた。
何が面白いんだろう。
でもって、再び、カララムダンジョンの攻略が続く。
65階層のフロアーボスだったスパイダーデス!を倒したら、後はサクサク進む。
他の魔物は、俺の地球の母ちゃんに殺しちゃ駄目とか言われてないしね!
まあ、70階層のフロアーボスの、でっかいゴキブリは、消し炭になるまで燃やしてやったけど。
地球の母ちゃんは、ゴキブリを見つけたら、責任を持って殺し切りなさいと言ってたし。
というか、その時殺せなかったら、必ず、バルサン炊けと言ってたしね。
だから、しっかり70階層は、全て聖剣ムラサメで、フロアーごと消滅させておいた。
まあ、バルサン持ってなかったから、しょうがないよね!
フロアーボスの、でっかいゴキブリが卵産んでるかもしれないし。
1匹居たら100匹居ると思えと言うしね!
地球の母の言いつけを、異世界でも守る俺って、どんだけ親孝行なんだろう。
まあ、俺はこの世界で、家族の為なら躊躇しないと決めたし、躊躇うと、家族が死んでしまうと学んだのだ。
『ご主人様、きっと、でっかいゴキブリは、ダンジョンに卵産んでないと思いますよ。
基本、ダンジョンの魔物って、ダンジョンから産まれるものですからね!』
「じゃあ、ゴキブリを産み落としたダンジョンごと、消し炭にしてやるか!」
『それはちょっと、ほら、後ろでアレクサンダー君の顔が真っ青になってますよ!
一応、カララムダンジョンって、カララム王国の金を生み出す財源になってますからね!』
鑑定スキルが、慌てて指摘してくる。
「そうか……だがしかし、地球の母ちゃんの言いつけは守らないといけないし……」
『多分、これからは、カララムダンジョンも、ゴキブリを生み出しませんって!
というか、鑑定で調べたら、カララムダンジョンは、金輪際、ゴキブリの魔物を生み出さないと言ってますし!』
「お前、カララムダンジョンと喋れるのかよ?」
『鑑定で調べたら、普通に書いてありましたもん! ほら!』
鑑定スキルは、カララムダンジョンのステータスを見せる。
名前: カララムダンジョン。
種族: ダンジョン
階層: 88階層
スキル: ダンジョン製作、魔物製作
攻撃力: 9999
防御力: 9999
追記: 金輪際、ゴキブリの魔物は生み出さないので、とっとと攻略して帰って下さい。
「この追記の内容って、俺個人に言ってるのか?」
『じゃないですか? 余っ程、70階層を燃やし尽くされた時、恐ろしかったんですよ!
多分、このままでは、カララムダンジョンを消滅させられると思って、必死になんとかしようとした結果が、この追記だったんじゃないですか?』
どうやら、鑑定スキルも、俺と同意見のようだ。
「俺、ダンジョンに恐れられてるの?」
『そりゃあ、そうですよ!ご主人様、たかがゴキブリ駆除に、聖剣ムラサメを使ったんですよ!
アレは、本当に、金輪際、封印した方がいいと思います!
完全に、この世界のパワーバランスを崩壊させてますからね!』
「ワシも、そう思うぞ!」
何故か、アレクサンダー君まで、鑑定スキルに乗っかってくる。
「じゃあ、ゴキブリを倒す時以外は、聖剣ムラサメは封印するか!」
『ゴキブリ倒す時も、封印して下さい!』
鑑定スキルの声が、カララムダンジョンに響き渡った。
まあ、念話だから、実際、比喩表現なんだけど。
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