第17話
〈コトハ〉
「なに」
〈ぜんぶ夢の方が良かったかい?〉
「……」
「好きとか、恋とか、自分の心の中で勝手に始まろうとしたら止めて、自分の中で終わるものだと思ってた」
〈もしもわたしがきみの体の造形や色合いをかんがえたモノだとしたらどうする?〉
「……わたしの体をデザインしてペイントした者を、恨んだり、憎むのかもしれない」
〈祖父母は?産んでくれた母は?父は?〉
「……関係ない、気がするけれど、アナタも関係ない気がしてきた」
「もう会えないの?あのふたりに」
「お嫁さんなら、この世界でも叶えられると思ってる?」
今生きている世界。いまはなんだか幕の引いた、どこかの閑散とした劇場。そんな場所。
〈酷かもしれないけれど〉
「あのふたりは、きっと、それぞれにお嫁さんを見つける」
〈……それでいいの?〉
「……」
「もうあのふたりは、わたしが行っても困るだけ」
〈コトハ〉
〈幸せにしたかったよ〉
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