世界救うかっこいい騎士に
ボクがまさかヘマをするんなんて、
しかも狩人と腕を繋がれた挙句ボクの肌を見せる事にもなるし、密着するし、恥ずかしすぎて爆発してしまいそうだ。
てか意外とこの男は強いのに細身なのだなぁ、
カナエ君もかなり細身だが、ちゃんと食べているのだろうか。
しかも足首を応急処置してくれるって言葉は強いが優しい一面を持っているんだ。
不意にこの優しさに懐かしさを感じた。
なんの懐かしさなんだろうか
今なら聞けるのかな?
この男の真意、
「・・・な、なぁ?
「・・・ん?」
「・・・この状態だ退屈しのぎに会話でもどうだい?」
「・・・え?」
ふ、不自然だったか?ボクは色んな人をナンパしているのだ!会話下手では無い!
だが明らかに何言ってんだコイツっていう雰囲気が伝わってくる。
うーん難しい。
「・・・まぁ別に暇だからいいけど。」
良いんだ、意外と寛容なんだね。
ダメ元過ぎるがどストレートに聞いてみるとするか
「・・・正直に今ここで答えて欲しい。君はなんでそんな茨な道に脚を歩むんだ?なんの為に」
「・・・」
彼はそれを聞いて明後日の方向を見る。
流石に駄目か。
「・・・茨ね、そうだなぁ確かに茨だな。なぁあんたは大事な人、家族でも友達でも、仲間でも亡くした事ってあるか?」
急な質問でボクは戸惑った。
だが、ボクには大切な人と言うのはおこがましい人を亡くした。
「・・・あぁ、ボクは憧れの人を亡くしてしまった。」
「・・・」
居ないって思ったのだろうか?えっとこぼした彼を無視しボクはなんでか、話したくなったのだ。
・・・ボクは元々冒険家だった。
父と母に厳しく育てられてそれが嫌になって家を出て、冒険家の役職を得た。
けど何も考えずにただ歩いていたら魔族に襲われてしまってね。
そこで1人の女性に出会ったんだ。
その人は魔族を倒せる程の強さを持っていてね、その人にボクは助けて貰ったんだ。
そう、そこからのきっかけとしてボクはこの人みたいに強い女になろうと決意した。
ボクはその人に両親の残酷さを話した。
ボクの両親は世間の印象しか興味無く、ボクは
間違っていたら暴力を受け、まるで女として、人として見られていたと思えなかった地獄の人生を歩んだ。
それを告げると皆がボクをバカにした。
嘘をつけと、作り話はつまんないと、被害者面すんなと罵られた。
ボクには味方が居ないんだと悟った。
でも彼女は違かった。
泣いてくれたんだ。
こんな
その温もりが伝わると彼女はこう言ったんだ。
『・・・辛かったね。辛かったね。まるで私の弟の様な人生を送っちゃって、よく逃げたよ!大丈夫。シオンちゃんはもう自由だよ・・・』
ボロボロと泣いて頭を撫でてくれたあの感触は同性でも惹かれた。
そしてボクも体が脱力して、堪えきれなかった涙が出て恥ずかしげもなく、声を出して泣いてしまった。
『私はね、弟がいるの!それはもう!可愛くて!優しくて!良い子でね!シオンにも会わせてあげたい程なの!!!』
『へぇ〜君がそんなに溺愛するほどいい弟くんがいるんだ!会ってみたいな!』
『へへ!弟が良いよって言ってくれたら合わせてあげるからね!』
『・・・楽しみにしてるよ!』
彼女との会話はとても楽しかった。
ボクは幸せの時間が楽しみで仕方なかった。
でもある日、彼女はあの10年前の戦争に参加する事になった。
『・・・行かないで!』
『・・・ごめんね、シオン!でも私はレクリエム王の下で働いてるから行かなきゃ行けないの。』
『・・・魔族と戦争するんでしょ!? 危ないよ!!』
『・・・シオン!』
彼女はボクに抱きつき震えた声でボクに言い放った。
『・・・シオンはとても強い子、それは私が保証するわ!
貴方は私の大切な人、強くて、可愛くて、かっこいい女の子になるんだよ・・・』
そう言って彼女は行ってしまった。
結果は彼女は死んでしまったんだ。
魔族にやられてね、
ボクは誓いを胸に抱く。
強くなるためにボクのように悲しむ人が増えないように!
人々の笑う笑顔を大切にするために。
彼女の、憧れの人との約束だから。
「・・・ま、こんな感じでボクは惜しい人を無くしてしまった訳さ」
「・・・羨ましいな」
「・・・え?」
「・・・その強いメンタルが羨ましい。
俺にも欲しかったな・・・」
彼はボクの話を聞いたあと、また明後日の方へと意識を向けるのであった。
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シオンのクールな一面可愛い1部を見せてくれました。
さーていつになったら狩人の事を気付くのでしょうか見物ですね〜
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