第6話 真実

<1人の少年は泣きまくった。

 誰もいない静かな部屋で。

 涙は出なくなり、声もかれていた>


 泣きすぎだ…声もかれてしまった。

 何年ぶりだ…こんなに泣いたのは。

 何年ぶりだ…声がかれたのは。

 何年ぶりだ…人間を殺してやると思ったのは。

 俺は…守れる人間お…大切な親友お…俺は…クズで…ゴミだ…


<1人の少年の、泣き崩れた声を外に出さなかった部屋のドアが開いた。

 開けたその人物は…>


「ル…ガ…」


<そこには親友がいた>


 ルガが居る?なんで?それも人間の姿に戻っている。


<さかのぼる事1時間前>


「ルガ!ルガー!」


<ルガン·ルサン

 ルガの母親

 ルガルンの妻

 病院長>


<ルガが死んだのは分かっていた事だ。

 だが、まだ生き残っている!と信じている気持ちがあった。

 自分の息子が死んだのだ、悲しむに決まっている。

 悲しまないのは親と呼べない>


「ルガ…すまなかった…

ガリシン様、ルガの死体はどうするんですか?」

「聞くよな、それはそうだ、自分の息子なんだから。

魔人だからと言って埋葬をしない訳がないよ。

だがな、1つ2人に聞きたい事がある」

「聞きたい事ですか?」

「聞きたい事ですか?」

「そうだ、生き返らせるとしたらどうする?」

「生き返るんですか!?」

「生き返るんですか!?」


<それはびっくりする事だ。

 死んだ者を生き返らせるのだから>


「そうだ。

だがな、ルガしだいだよ。

生き返らせるのは」

「どういう事ですか?」

「どういう事ですか?」

「なぜルガが魔肉の薬を持っていたのか。

その理由によっては、生き返らせるか、生き返させないか決める」

「でも、どうやって理由が分かるんですか?

ルガは死んでいます」

「ルガルンいい質問だな。

それは記憶だよ記憶。

ルガの記憶を観るだけだ、そしてその記憶は生配信で流す。

この行動は、ルガン家の名前に泥を付けるかも知れない。

それでもやるか?」

「俺はやりたいです!

ルガが魔人になった時点で、泥を付けたと思っています」

「私も夫と同じです!」

「分かった。

それじゃあちょっとガリンに伝える」


<ガリン

 ガリシンの眷属であり、ナンマの仕事を手伝っている1人>


(ガリン聞こえるか?)

(ガリシン様!聞こえますとも!)

(生配信をつけてくれ)

(了解しました!)


<数分後>


(生配信つけましたよ!)

(ありがどう)


「それじゃあ始めようか」


<ガリシンはルガの頭に手を置いた。

 そしてルガの頭の上に映像が出てきた。

 それがルガの記憶だった。

 ルガが居るのは森の中だった>


 俺はもっと強くならなきゃ行けない!

 ラルの為に!ラルがあんなに強かったら…

 させない!絶対に!俺はラルと約束したんだ!

 そしてその約束は、ラルお前にもあてはまった。

 魔法が使え無い人間が、魔法を使える人間を倒せたら、騎士団に入れさせるかもしれない。

 だから俺はどんな手を使ったってラルより越えてみせる!

 最悪…剣を持てないようにする。


<記憶、それは思っている事すらも流される。

 これは生配信で流されている>


「そこに居るのはルガ様じゃありませんか」

「お前は誰だ?マントを被っているみたいだが」

「なを名乗る者ではございませんよ。

簡単に力をてに入れれるとしたらどうしますか?」

「決まっている…力を簡単にてに入れれるなら欲しいさ」

「ならこれを決闘の日に飲んでください。

勝てないと思った人間が相手の時に飲んでください」

「ありがとう」


<ルガが魔肉の薬を貰ったのがこの記憶だ。

 そして渡した人間はザイルだった>


 薬?なんの薬だ?だけど…これさえ飲めば…

 ラルよりも強くなれる!弱き者を守る為になる!

 簡単に強くなれないのは知っている。

 弱き者を守れるなら…どんな者にもなってやる!

 代償があるかもしれないからな。


<そして記憶が終わった。

 なぜ魔肉の薬を手に入れたかの記憶が終わった>


「これが真実みたいだよ。

真実は終わりだ生配信はここで終わらせてもらう。

死者復活のシーンを大勢にみせたくないからな」


<そして生配信が終わった>


「ガリシン様…もしかして…」

「言った通りだよ?ルガン。

死者復活をする!ルガを今から生き返させる」

「我等神の王。

貴方様の力をお貸しください!

貴方様は生き返らせてくれますか?

我がガリシンは生き返らせたい!」


<ルガの周りが白く光…ルガは生き返った>


「パパ?…ママ?…ガリシン様?」


「ルガー!」

「ルガー!」


(助けてくださりありがとうございます。

 王)

(俺は気まぐれだ。

 死んだ生物を全員救うわけではない。

 死んだ生物を全員救っては世界はいずれ壊れる。

 俺の気持ちが助けてやりたいと思っただけだ)

(それでも感謝します。

 王)

(それじゃあ話すのは終わりにするか)

(分かりました)


「ルガ。

一番会いたい人の所に行っておいで」

「父さん…いいの?」

「ルサンもいいだろ?」

「大丈夫よ」

「母さん…」

「1皆の出場者専用の部屋にいる」

「ガリシン様…ありがとうございます!」


<ドアを開けルガは走り出した。

 大切な親友が居る部屋へと。

 そして今>


「ラル…ごめん。

今ま」


<ラルはルガの声は届いていなかった。

 ルガの場所も走り…そして抱き締めた>


「ルガ…ルガー!」

「ラル…」


<2人は抱き締めあい、涙を流した。

 そしてルガはなぜ魔人になっのかをラルに言った>


「ごめん…ごめんラル。

今まで酷い事を言って」

「気にしてないよそんな事。

ごめん…俺のせいで…俺が本当の事を言っておけば、こんな事にならなかったのに…」


<2人の真実。

 1人はなぜ酷い事を言って、魔人になったのか。

 1人はなぜ世界最弱と言われているのか。

 2人は今日起きた事で昔のように仲良くなる>

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