砂漠

2日目


「あれなんだ?」


なんか、緑があった。砂漠に似つかわしくない緑があった。

オアシスってやつか。

近づいてみると、人がいた。原住民みたいな奴らが。言葉が通じなかったから、身振り手振りで説明する。

どうやら、街はここからそう遠くない場所にあるらしい。多分。

お礼に銀貨あげといた。銀貨は銀の含有率が価値になるから、国はあんまり関係ない。


それから、1時間ぐらい進むと街が見えてきた。


「やっとついた。ここが砂漠の国ヨドハリか。遠かった。」


この街は、昔国を追われた貴族とその家臣が作った街が始まりで、世界中からお尋ね者が集まって暮らしたらしい。

主食は砂漠でもすくすく育つ芋。魔力を込めたらどこでも育つらしい芋。

甘くて美味しいらしい。


街であらゆるものを物色した後、宿で泊まった。もちろん罠を仕掛けて。もちろん夜中数人が襲ってきたので、殺して、街の外に死体を捨てといた。

全員フードだったから、目立ってたんだろうな。金も使ってたし。

ここでしか買えないようなとてつもなく辛い調味料と甘い芋を買い込んだので、

次の街に進む。


「次はどこに行こうか?」


「森のあるところがいいわ。」


「近くだと大きい港町があるし、そこに行こう。言葉が通じるといいな。」


「そうね。国が違うと本当に言葉が通じなくなるのね。びっくりだわ。」


「翻訳の魔道具でも買っとくか。そこの港町にあればいいが。」


「そうね。言葉もわからず襲われるのは嫌だわ。」


それから、3日かけてサバンナみたいなところに、そこから船を降りて、一日かけて、熱帯雨林みたいな場所についた。氷魔法が使えて良かった。ジメジメしない。


「また、違う森ね。虫が多いし、魔物の反応もすごくあるわ。」


「空から見ても、一帯、森だったからとにかく進もうか。」


より、弱い魔物がいそうな場所に向けて、進んで4日道に出た。


「やっとか。ここで、人が通るまで待つかな。そしてそいつらについてこう。これからは、近道なんてせずに大人しく道並みに進もう。」


「そうね。自分達が進んでいる道が正しいのか、そうじゃないのか心配になるもの。」


「そうだな。みんなにも負担をかけたな。」


スノウとアリシアの頭を撫でといた。特に、氷魔法が得意でないアリシアには大変だっただろ。

こいつらの好きな料理でも作ってやろう。

待つこと2時間。行商と思われる奴らが竜車に乗ってきたので、そいつらについて行くことにした。森の中から。

そうすること、4時間。海の匂いがしてきた。もうそろそろ街に着きそうだ。


そこには、かなり大きい港町があった。人も物もかなりの物が揃いそうな場所だ。ここは、船の貿易の中継場所だからだろう。


「俺も欲しいな。超強力な魔物除けがある船。」


「とんでもない値段よ。そんな船でもたまに魔物に襲われて沈没するっていうしね。」


「そうなんだよな〜。しばらくはこの街の近くに小屋でも建てるか。近くに魔物の多い森もあるしな。」


「いいわね。暑くてジメジメしてること以外は最高の街よ。」


「氷魔法でどうにかすればいいだろ。アリシアも魔力が切れたらスノウに氷魔法使ってもらえ。いい訓練になる。」


「はい、ご主人様。」


〜分かりましたお兄様〜


それから、街の近くの森の中に拠点を作って、街に寄って、翻訳の魔道具を買ってから、諸々の買い物を済ませて、周辺の盗賊や街の有力者の情報を聞いた。

大金は使わなかった。この町で稼いでからにした方が、絡んでくる奴らが減りそうだしな。

正直、砂漠の街によらなくて良かった。調味料もさらに揃ったしな。


「まさか、米みたいなものがあるなんてな。これでもっとうまいものが食える。」


新しく調合したタレで、焼き肉丼食わせたらみんな嬉しそうにしてた。

甘いものが好きなアリシアのために砂糖をふんだんい使った大学芋を作った。


「明日からは、森の奥に行ってみるか。」


「結構深いらしわよ。かなり強い魔物もいるらしいわ。」


「適当に訓練するか。ここなら高価だが良質な武器も防具も魔道具もほとんど揃いそうだしな。金稼ぎも含めて。」


「緑猪の群れがいたこともあるらしいわよ。」


「その噂はどの森でもあるけどな。どうせデマだろ。」


「わからないわよ。いるかもしれないし。」


「この森のどこかにはいそうだけどな。相当広いし。」


「そうよ。絶対いるわ。」


それから1週間森を彷徨いながら、拠点をいくつか作り、森の少し奥に行くと、

オークナイトの集団がいた。30匹ぐらいの結構な群れだ。


「少し奥に行っただけなのに、オークナイトがこんなに集まっているとは。本当にこの森は前までいた森と格が違うんだな。」


作戦はいつも通り、俺とジャンヌが奇襲をした後、スノウとアリシアが魔物達の注意を引きつけながら、俺とジャンヌが魔物の数を減らしていく。


10分足らずで魔物を殲滅したのち、解体して肉と睾丸を奪って、凍らせてから何度かに分けて小屋に保管しておく。


「俺達って、本当に強くなったよな。」


「アリシアがいるから、バランスが良くなったのよ。バランスがいいと、今まで難しかったことが簡単になったのよ。」


「そうだな。アリシア。今日食べたいものはあるか?」


「オークナイトの丸焼きが食べたいです。」


アリシアは虎獣人だからだろうか、お肉が大好きだ。


「丸焼きは途中で飽きるから、何種類かタレを用意しといてやる。

後、野菜もちゃんと食えよ。」


「分かっています。ご主人様。」


分かってなさそうな顔をしている。


「スノウは何が食べたい?」


〜昨日食べた大学芋を〜


「そうか、気にいっちゃたか。大学芋アイスでも作るか。果物でシャーベット作ったみたいに。」


〜それは美味しそうです。〜


可愛い笑顔を俺に向ける。スノウは素直で可愛いな。


「明日、オークナイト適当に売りに行くか。」


翌日、オークナイトの睾丸を街に売りに行ったら、合計で金貨1枚ぐらいになった。肉は俺たちで食うしな。小屋をもう一つ建てないと。


案の定、俺たちに金があると分かったのだろう、バカが俺たちを追ってきて、おそいかかってきたので、皆殺しにしといた。8人。

最初に襲ってくるのはザコに決まっているので、気をつけるべきは後に襲ってくる奴らだ。

フード被ってる強そうなやつに絡んでくるやつなんて基本バカだし。


「逃げる時用の道に罠でも作っておくか。この森の強さだと冒険者も強いだろうしな。」



俺たちは更に森の奥に行くことにした。






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