やけのこ
矢が貫通する。領主の長女に剣を振り上げていた騎士の頭を貫通する。
ジャンヌが矢を射たのだ。
崩れ落ちる。頭を貫通して即死だった。
残りの騎士3人は驚き瞬時に、こちらに剣の構えをとる。
しかし、3人は何かに気づき、即座に領主の長女に剣を振り上げる。
「スノウ。」
間に合いそうになかったので、スノウに大出力の氷魔法で、領主の長女の周りに氷の壁を作ってもらう。
「スノウ行くぞ。」
俺とスノウはそれぞれ剣を取り出して、騎士たちに斬りかかる。
俺は風の属性剣。スノウは珍しい氷の属性剣を使う。昔は小剣だったが、今は体が大きくなったので二人とも長剣だ。
護衛3人は流石に精鋭なのだろう。3対2の形にするべく、2人の騎士はすぐさまこちらに走り向かう。
3人の前に薄い氷の壁をスノウが瞬時に作る。
その氷の壁を、俺が風を剣に乗せて、斬る。氷が飛び散り、俺の風の斬撃が3人の騎士を襲う。
3人の騎士は俺の攻撃を難なく防ぐが、騎士の一人の頭を他が貫通する。
ジャンヌが息を殺して、気配と魔力を隠しながら、森を移動して射ったのだ。
次に風の斬撃に炎魔法を乗せて、騎士たちの視界を覆う。当然、騎士たちはジャンヌの狙撃を警戒する。
俺は、風の属性剣を一人の騎士に投げつけ、弓に持ち替えて、その騎士に矢を一瞬で射る。この一連の攻撃は防がれるが、近寄ってきているスノウに気づかずに首を切られる。
その一連の様子を目撃して、ジャンヌの狙撃から気が逸れたところで、ジャンヌが狙撃で最後の一人の騎士の頭を貫通させる。
ジャンヌの狙撃を気にしすぎるせいで、守りに入って受け身になったことがこいつらの敗因だな。
「さてと、領主の長女の安否を確認した後、こいつらの装備を剥いで、死体を処理しよう。」
竜車の扉を開けて、中を確認する。
すると、そこには、ケモ耳と尻尾の生えた金髪幼女がいた。
「あなた達は盗賊ですか?」
「そんなもんだ。それで君は自分の護衛に殺される理由はあるかな?」
「それは、、、、。はい、、。」
この金髪幼女の話によると、この子は領主の愛人の娘らしく、この子が生まれた時に母親も死んだらしく、そのせいで領主である父親はこの子を嫌ったらしい。
そして、愛人の子である、この子には領主家で居場所がなく。疎まれていたらしい。
「でも、わざわざ自分の家の騎士に殺させるか?」
「おそらく理由が欲しかったんですよ。叔父上に攻撃できる理由が。」
「叔父上?ああ、アンセムの街の。お前を襲った盗賊がアンセムの領主に命令されたとか嘯くんだな。」
「はい。ついでに私も殺せますし。」
「長女なんだろ。そんな簡単に殺していいのか?」
「妹が生まれたんです。愛人の娘じゃない。」
「そういうことか。お前の利用価値が無くなったんだな。だから捨てたのか。」
「はい、、、、、。」
金髪幼女がポロポロ泣き出した。
「ジン、言い方が悪いわよ。可哀想でしょ。」
〜そうです。お兄様少しひどいです。〜
普通に攻められた。
「ごめんな。悪かったよ。ところで君の名前はなんだい?」
「私はアリシアです。ただのアリシアです。」
「そうか。アリシアちゃん帰る場所がないなら、俺たちと一緒に来るか?」
「盗賊の皆さんと?」
「そうだな。盗賊の俺らとだ。」
「そうですか、、、。分かりました。私一人では生きれませんし。」
金髪ケモ耳幼女を手に入れた。
「一人ぐらいお前のことを心配する奴がいるだろ。そいつに手紙でも書いとくんだな。」
「はい。昔から気にかけてくれる乳母が一人います。」
いつもは、そいつがついてくるのだが、今回はついてきてないので、こいつも何か怪しいとは思ってたらしい。
「ところで、アリシアはなんの獣人なんだ?」
「虎です。虎の獣人です。」
「なんかイメージと違って大人しいな。なんでだ?」
「さあ?種族で性格を決められても、、、。」
「そうだな。悪かったよ。得意分野は何だ?」
「身体強化です。」
「それはイメージ通りだな。」
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