アンセムの街
「ジャンヌお姉ちゃん僕たちの関係は、両親と生き別れて、親探しの旅に出てるってことだからね。」
「分かってるわよ。」
アンセムの街。
かなり大きい街らしくここら一帯では一番の大きさらしい。
立派な壁が街を囲っている。魔物対策だろう。
この街は壁の外にも人と建物が煩雑としている。
とりあえず、街のことをそこら辺の老人に聞いた。
「そこのおばあちゃん、ここの街について教えて欲しいんだけど。お話聞いてもらっていいかな?」
「アン?なんだって?」
「僕らね、この街に初めて来たから、色々教えて欲しいんだけど、今お話し大丈夫?」
「アン?なんだって?」
難聴系おばあちゃんになんとか話を聞き出した。
街の中に入るには、金がいるらしい。
厳密には、市民権が金で買えるらしい。
もしもの時、大型の魔物が襲ってきた時は、門が閉まって門の外にいる奴らが犠牲になるらしい。
それから、この街のことを大体、聞き終えた。
「まずは、お金の調達ですね。冒険者柄とでも行きましょうよ。」
「そうね。何が換金できるか知りたいし。」
「僕は外で待ってますよ。めんどくさそうですし。」
冒険者ギルドでジャンヌに情報を聞き出してもらった。
「大丈夫かな?喧嘩してなかったらいいけど。まぁジャンヌは可愛くないし、大丈夫か。」
1時間ほどした後、ジャンヌが出てきた。
「どうでした?喧嘩しませんでしたか?」
「そんなことしないわよ。同年代の子も結構いたし、パーティーに誘われてたのよ。」
「へぇー。それでパーティーには入るんですか?」
「入らなわよ。パーティーに入ったら安全な分個人としては弱くなるのよ。パパが言ってたわ。」
「そうですか。それじゃあ買い出しに行きますか。」
「それは無理よ。」
「えっ!なぜ?」
「私の両親の残したお金全部、この街周辺の魔物や森の情報に使っちゃったし。」
「ということは、今日も野宿ですか?」
「そうね。でも今から魔物を狩りに行けばいいじゃない。」
まぁ、俺の金じゃないので時に何も言えないが、もう野宿は嫌なので、
ジャンヌと一緒に森に狩りに出た。
「ところで、ジャンヌお姉ちゃんなんか、追われてませんか?」
「追われてるわね。おそらく、さっき私を誘って来た5人組の同年代よ」
「そうですか。それだけわかったら十分です。全力で逃げます。今日は野宿確定です。」
「なんでか分からないけど、ジンがそういうならそうするわ。」
それから、ジャンヌが追われてないのを確信するまで、全力で森の中を走り続けた。
途中から、ジャンヌにおんぶされたけど。
「ここら辺まで来たら安全よ。」
「そんなこと、分かるんですか?」
「スキルと情報と勘よ。」
「そうですか。信じますよ。ところで、追ってきた5人はどれくらいの強さなんですか?」
「私達二人と森で戦って互角ぐらいね。」
「逃げて正解でしたね。なんで追われてきたか分かります?」
「さあ?この森に慣れてない私達を助けるため?」
「違いますよ。冒険者ギルドでジャンヌお姉ちゃんがお金を持ってると知ったので、奪いにきたんですよ。」
「なんで?弓も防具も安物をつけていたわよ。」
「冒険者ギルドで情報を買う時、全財産払ったんでしょ。そのせいです。ちなみにいくら払ったんですか?」
「銀貨13枚」
「銀貨13枚!!そんな大金持ってたんですか!?」
銀貨1枚十万円ぐらい。
ジャンヌは俺が何を伝えたいか察して、言い返そうとしたが、その言葉を飲み込み、
「両親がためててくれたのよ。多分、私に新しい弓を贈るために。」
下を向いて、弱々しく答えた。
ジャンヌは多分無茶苦茶、鴨られてる。
それに気付きだしたのだろう。すごい泣きそうな雰囲気をしている。
「とりあえず、今日は休みましょう。明日のことは明日考えましょう。」
「そうね。」
ジャンヌは夜中メソメソ泣いてた。
しょうがない、彼女にとって初めての街だったのだ。
騙されることがあって当たり前だろう。
高い勉強代だったが、命あってのなんとやら。
失った金はまた稼げばいいしな。
でも、どうしよ。
狩った魔物はどこに売ればいいのか?
直接、肉は肉屋に皮は加工屋に売りに行けばいいか。
「でも、まずは追ってきた5人組の始末だよな。」
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異世界豆知識 お金
白金貨1枚 一億円
金貨1枚 1000万円
小金貨1枚 100万円
銀貨1枚 10万円
小銀貨1枚 1万円
銅貨一枚 1000円
小銅貨一枚 100円
鉄貨一枚 10円
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