たちばな君の唯一の悩み

@Aroe820

第1話悩みの種

俺は1度も悩んだことは無い。と言っても小さな悩みは多少あるが大きな悩み事に関しては1度もない。思ったことは全て言ってきたし何かしたいと思ったらすぐに行動に移してきた。


あの「西野アヤメ」に会うまでは


1年生の頃はとても自由にやっていた。新しく出来た気の合う仲間と勉強もせず、各々部活にのめり込み、学校も休みたい時に休む。いつからか教師全員に俺らの名前が知られていたがそんなことはどうでも良かった。


高校2年生になり新しいクラスになった。初めて見るやつや1年生の時同じクラスのやつも多くいた。


「よお橘。お前俺とまた一緒やんけ。よろしくどうぞ。GG」

「はいはい、よろしくどうぞ。」


いきなり話しかけてきたこの馬鹿は1年生の時に一緒にやんちゃしてた仲間の1人、軽井れんである。身長は高く、顔もイケメン、頭はとんでもなく悪いが、高身長イケメンで天然という点から学校では人気があり、彼のファンは多かった。


「それにしても橘よ。あの子可愛くね。あの1番右の列の1番前の子。」

「まぁ確かに可愛いな。お前好きそうやし。いいやん。」


そう。勘のいい読者は気づいたと思うが、この馬鹿の言うあの子こそ、西野アヤメである。


「名前なんて言うんやろ。」

「名簿見てこいや。そしたら分かるやん。」

「名簿見なくても、普通に喋りかけたらいいやん。」

「あ、まぁ、確かに。」

「橘くん、馬鹿でちゅね〜」


なぜ煽られたかは謎だが、それはさて置きれんのコミュニケーション能力と可愛い女の子の知識の多さは異常である。過去にも可愛いと思った子は皆れんの知り合いだった。やはりイケメンはモテるのだろう。少し羨ましかった。


「ライカやってないかな。連絡取って仲良くなりたいな。」

「スマホ持っててやってない訳ないだろ。やってない方が驚きだよ。」

「そりゃそうか。俺決めた。普通に喋りかけて仲良くなるわ。」


れんと話す時は基本頭を使わないでいいから楽である。だから特に感情はないし彼もそれを分かってて俺と会話している。

だが、彼の決断を聞いた時、少しモヤっとした自分がいたがあまり気にせず俺は彼の決断に相槌を打ったのであった。


「あぁ、がんばれがんばれ。」


だが今思えば俺の悩みはここから始まったのかもしれない。

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