PSYCHOTIC HYSTEORY 0
かんな かんなび
#1:人並みに生きたいが、決心はあくまで妄想だった……
私の名前は、少し珍しいかもしれない……
『
これが私の名前。
『小鳥遊』なんて、アニメのキャラにしかいないと思う人が多い。
だが、いる。ここに。現に。
この名前のせいで、よくいじられた。特に中学校。中学生になるとなぜか、深夜アニメを見だして、わちゃわちゃしだす。特に男子から目線は、私とって結構な心労だった。だから、時々学校を休んだ。
休んでいる間は、基本ネットサーフィンとネトゲ―。勉強なんて、テスト一週間前にならないとやらない。これが中学生の基本だと思った。
こんなことをしているから、中学三年になって、皆が口々に受験と言い出したから、結構焦った。
担任からは「休みと欠点が多いから、上位校は難しい」と言われ、親には毎日「高校どこにするの?」と言われる。
私は「ほっといてほしい、自分で決めるから……」と内心思い続けていた。
そんなある日、担任からある高校を進められた。
その高校は、公立高校でありながら、特色ある才能を持った人物を募集する学科があり、偏差値は正直あまり高くないが、試験科目が国・数・英の三教科と小論文だけという、なぞに試験科目が少ない学科だった。
私はこの話を聞いた時、「なにその学校」と思った。得意なネットサーフィンで情報収集すると意外と授業内容もちゃんとしており、楽しそうと思った。
とりあえずは、ここを志望校にして勉強をすることにした。
なんやかんやで、月日が過ぎて、受験日一週間前になった。
この日は、志望校に行って受験票を皆で取りに行くという、学校特有の集団理論が適用される日だった。正直、個人で取りに行けば良い物を皆で取り行くという、先生たちには合理的だが、私にとっては、訳の分からない人たちと行くという精神的な屈辱だった。
でも、幸いだったことは、行くメンバーの中に、私の好きな高身長のシュッとしたイケメンと少しだけ交流があった二人の女子がいたことだった。
この人達とこの学校で生活できたらいいなと思いつつ、受験票を受け取った。
そして、受験当日。朝から訳の分からない人たちを一緒になって、黙々と試験をこなす。
この時に嬉しかったことは、イケメンの後ろで受験できたこと。めっちゃモチベーションになった。
それから一週間後、結果発表。
無事『合格』。晴れて高校生になることが決まった。
イケメンも少しだけ交流があった二人の女子も合格。私の中学校からは、私含めて四人が合格した。
この日の帰り、私は決心した。今までの自分を脱ぎ捨て、ここで羽ばたこうと。学校の雰囲気も良いし、ここでなら、自由になれる気がした。
------------------------------------------------------------------------------------------------
高校に入学してから、一か月経った。
既にもう学校を休みがちになっている。教室の椅子に座ることが苦痛だった。
なんでこうなったか、思い返すと最初の時からだった。入学式の日、学校に入り、様々な手続きして、緊張しながら、教室に入った。少し遅めに入ったからか、教室には何人かは席に付いて座っている。廊下側の近くのイケメンの隣席ならいいなと思いながら、席を探していると、教室半分の窓側、なぜか私の雰囲気と合致しない空気感があった。
学校初日だから、教室全体の雰囲気は静かだが、不思議と違和感を覚えた。
「ここはいやだな」と思ったが、まさかのここだった。しかも、周りに私の知り合いは誰一人いなかった。
正直、不安ではあったが、席替えもあるし、昼食は知り合いのそばまで行けば、食べられると思い、あまり深くは考えなかった。
入学式から最初の一週間、この期間は、私にとって最初で最後の学校生活で一番楽しかった時期だと思った。クラスの皆がある程度の緊張感を持って行動し、授業も静かでよかった。
ただ、この一週間を過ぎた時、入学式で感じた違和感の正体が分かった。
はじめは、私の席の周りの女子のテンションだった。休み時間の間、やけにペチャクチャと喋る人達だと思っていたが、話している内容を聞いていると、私のテリトリーから外れた内容で、趣味が合わないと思った。
次に、男子の言動であった。最初の一週間は、授業は静かだった。しかし、日が経つにつれ、先生に対する態度が馴れ馴れしいものになり、授業も騒がしいものになった。
特に私の前に座る三人、これが害悪だった。
こいつらは、いつもこのクラスの騒ぎの中心にいる。ほとんどの問題がこいつらに起因し、特にサルの様な顔をした奴は、顔が性格を表すように全ての言動がサルで、その行動を面白がって煽る二人も、サルを支えるサルにしか見えなかった。
テンション高め女子たちとそのサル共が、なぜか意気投合したらしく、教室の窓側は私を除いてほぼ動物園だった。
一方で、廊下側はこの状況を冷めた表情で見ていた。授業をまともに受ける人が多く、勉強熱心で普通の学校生活を送っているように見えた。
私は、学校に行けば行くほど、この席が苦痛になっていった。周りには、サルの様な奴しかおらず、話す相手がいない。これのせいで、自己肯定感も低下していった。
いつの頃からか、このクラスで孤立していると感じ、一か月後、冒頭に話した状況になってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます