第57話 八重、十八番、幼稚園に行く。
八重と
七之助も栞もクジ運が悪くて、二人は待機児童のままだったのですが……
「七之助さん、幼稚園の欠員が出て…運が良いことに、二人とも入園が認められたそうよ !」
「栞さん、本当に当たったんだね !
これで、二人にも人間の友達が増えるんだね 」
それを聞いた十八番と八重は、あらためて幼稚園のことを聞きました。
「お父さん、幼稚園と云うのは何でしょうか? 」
「お母ちゃん、幼稚園って遊園地みたいな所なの?」
二人の質問に七之助も栞も嬉しそうに答えました。
「ほら、お好み焼き屋の
エースと同じ年頃の子供たちが集まって、お遊戯をしたり遊んだりお昼寝する所なんだよ 」
七之助は自分の記憶を思い出しながら答えました。
今と昔では、だいぶ違うのですが知らなかったようです。
それを聞いた二人は喜んでいましたが、妖怪たちは寂しそうにしていました。
七之助や栞が働いている間は、妖怪たちが八重や十八番と遊んでいたからです。
しかし、妖怪たちも人間社会に溶け込んでから長い為に反対する者は、いませ……
「反対 ! 反対 ! 賛成の反対 !ヤエちゃんもエースくんもオイラ達と一緒に居るのが一番幸せに決まっているんだい ! 」
とある田舎のお祭りに売っていたカラーハムスターのチュー吉が騒ぎ出しました。
元々、妖怪だったのか、それともこの家の妖気で妖怪化したのは、さだかではないが八重と十八番の一番のペットを自称するチュー吉には我慢が出来なかったようだ。
ちなみに、チュー吉は妖怪化してから日が浅い為に変身は出来ないでいる。
そんなチュー吉を誰よりも冷たい目で見ていた、
「「クオーラルボンバー ! 」」
「キュゥ~ 」
前後からプロレスのラリアットを喰らったチュー吉は気絶しました。
やはり、妖怪の世界でも女の子が強いようです。
このまま妖怪化が進化すれば、立派なネズ……ハムスター男とハムスター女の子に成るかも知れません。
そんな様子を見ていた妖怪アマビコは、嬉しそうにしながら、
「平和だねぇ~、平和が一番 !
此処の奥方のお陰で、ウチの力がパワーアップしたから嬉しいよ 」
そう、妖怪アマビコの力は『無病息災』。
栞のブースターの能力と合わさり、あの忌まわしい流行り病から日本は立ち直り始めていた。
しかし世界は……。
「ねえ、サファイア達、猫魈や猫又は アノ
猫はネズミを食べると聞いているんだけど ? 」
「「食べないよ! 」」
サファイアとさくらは反論した。
「ボクはグルメだから、ネズミなんか食べないよ !
お兄ちゃんの筋肉料理やモ◌プチなら大好きだけどね 」
「ボクも さくらと同じ意見だけど、ハムスターはネズミの仲間で同じ
第一、八重や十八番が可愛がっているペットを食べ足りしないよ 」
さくらとサファイアに続いて、
「狸は雑食するけど、少なくとも
ワタシもグルメなんだから 」
「当然ながら妖狐もネズミを食べないわよ !」
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