第48話 幸運を呼ぶホワイト・ウィッチィー ③
【魔魅side】
ポジとネガの情報に寄ると、俊夫の雇用主は
流石に幼馴染みで親友の栞の旦那様に成る人と噂に成るワケにはいかないから、栞の元に会いに行くメールを送ってから栞の家に向かった。
「なあ、なあ、マミ。 俺、留守番をしているからネガとふたりで行ってくれないか ? 」
「ねえ、ねえ、マミ。わたし、留守番しているからポジとふたりで行ってくれるよね ? 」
二匹の使い魔が同じことを言っている。
「おい、ネガ ! 俺を犠牲にして逃げようとするなんて酷いじゃないか ! 」
「それは
女の子だけで危険な場所に行かせるなんて、アンタ男でしょう !」
「ウルセー、今の時代はジェンダーフリーの時代だから良いんだよ、時代遅れめ ! 」
わたしの影から半分だけ姿を表してケンカするのは止めて欲しいわね。
もう少しで、栞たちの家が見え始める頃に成ると、影に潜んで出て来なく成った二匹……チェンジ出来ないのかしら、使い魔は。
栞や
ポジとネガの情報に寄ると彼女が私が子供の頃から知っているサファイアで猫魈と云う高位妖怪だと判明した。
サファイアを見詰めていると、
「ヤッホー 。 この間ぶりだね、
キミが来ることは予想していたよ。
魔魅の使い魔たちがスパイに来ていたからね…………少し太ったかい、魔魅。
もう若く無いんだから、暴飲暴食は控えて運動しないと、魔女が いくら不老でも限界があるからね。
ポジとネガも口は悪いけど、サファイアに比べたら可愛い……かな?
「ちょっと待ったぁぁー! ボクを差し置いて勝手に話しを進めないでよ、サファイア ! 」
家の中から少し太った三毛猫が転がるように駆けてきた。
アッ !
ゴロゴロ ゴロゴロ ゴロゴロ !
転けて転がって来た。
体勢を整えた三毛猫は毛繕いを始めた……
ペロッ ペロッ ペロッ タシッ タシッ タシッ !
アレって身だしなみをしているのかしら!
「プゥ、クスクス、誤魔化してやんの ! 」
ポジが影から半分身を乗り出して笑っていると、
ポンッ 🍃
門扉に置いて有った信楽焼の狸が美少女に化けて、ポジを影から引きずりだした。
「仲間を笑う奴、捕まえた。
どうする、サファイア、さくら 」
じたばたと暴れるも首根っこを捕まれているポジは、
「ワァァァ、離せ! 離せ ! 俺なんか喰っても美味くなんか無いぞ ! 」
「ウン、おまえ不味そうだから食べない。
わたしはグルメだから 」
「ウグゥ、いっそのこと栞の妖怪とトレード出来ないかしら 」
思わず言ってしまった……
「
ネガも黙って無いで何とか言ってくれよ ! 」
「…………」
ネガは影の最奥に入り黙っている。
「タヌキ娘、流石に
サファイアが助け舟を出すと
「ボクに異論は無いよ。 むしろ、これ以上モフモフが増えると お兄ちゃんが相手にしてくれる時間が減るから追い返すつもりだったからね 」
化け狸から離してもらったポジは一目散にわたしの影に潜り込んでいた。
わたしの影の中でネガとケンカを始めたようだけど、今は
「魔魅が探している俊夫は、
運動不足だったせいも有ってバテているから、よろしくねぇ~ 」
「ちょっと待って、可憐な乙女に貧弱
少し酷いと思わないの、サファイア 」
しかし、サファイアはニヤリと笑いながら、
「魔魅、キミの頭には何が詰まっているのかな ?
その大きな胸に栄養を全部吸われてしまったのかな ?
見習いとは云え魔法使いなんだから、魔法を使えば良いじゃないか」
ウグゥ、本当に口が悪いわね。
人は見かけによらない と言うけど、可愛くても妖怪は妖怪だと云うことね。
それに悔しいけれど、見習い魔法使いの わたしの使える魔法はショボい魔法しか使えないのよ。
その事をサファイアに説明したら、
「悪かったよ、魔魅。
まさか、
仲間を呼んで運ぶのを手伝ってもらうから勘弁してくれるよね 」
ウグググ、此方が断われ無いのを知って言っているんだから、たちが悪いわ。
了承すると俊夫が休んで居る部屋まで化け狸に案内された。
そこに居たのは美少女に膝枕をさせてもらい寝ている俊夫だった……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます