第17話 棚からぼたもち ? ③
草ボーボーの家を想像していたのだけど、綺麗に草が抜いてあり庭も綺麗に成っていた。
駐車場も2台分あり、新車で買った軽自動車を止めた。
隣には栞さんの車が既に止めて有った。
今は草が無いけど、草抜きは大変そうだな。
ホームセンターに行って、草刈り機を買わないといけないな。
もう、若くないから手で いちいち抜くのは、しんどいからな。
俺が到着したことに気がついた栞さんとサファイアが出迎えてくれた。
「いらっしゃい……じゃないわね。
お帰りなさい、七之助さん 」
「
「七之助さんの荷物は、引っ越し屋さんが運びこんでくれたので大丈夫ですよ。
電化製品は、七之助さんの持ち物を利用させても良いと聞いたので、わたしが配置しました。
Wi-Fiルーターも最新の物に変えたので、七之助さんの趣味の小説も大丈夫ですよ 」
そうだ、俺は今、開催中のオメガポリスのライト文芸コンテストに参加している最中なんだった。
順位は、あまり良く無いが少しだけ読者が増えているから、頑張って書いている途中なんだ。
なかなかストックが溜まらないから、ギリギリで更新している状況なんだ。
部屋に案内してもらったら、時間をもらって執筆しないと、と考えていたら
「
玄関に行くと、
これって、信楽焼だったかな ?
綺麗に成っているから、洗ったのかも知れないな…………アレ、何か違和感があるな。
俺が狸の置き物を見ていると、
「その狸の置き物、変わっているでしょう。
わたしと七之助さんの婚約祝いに、
祖父が受け取って、ここに置いてくれたんです」
良く見ると、酒瓶の変わりに串に刺さった団子を持っている。
アッ ! フグリ、金◌が無い !
「判りました、そのタヌキは女の子なんですよ。
わたし、初めて知りました。
信楽焼の狸の置き物に女の子が居たなんて ! 」
栞さんには悪いけど本物かなぁ~、バッタもんくさいんだけど。
「
おっと ! さくらが出して欲しくて鳴き始めてしまった。
さくらを玄関で出したら、サファイアと一緒に奥へと行ってしまった。
サファイアが家の中を案内しているのかな。
「まずは、お茶を入れますから ゆっくりしてくださいね。
それから家の中を案内しますから 」
栞さんと一緒に家の中に入ると、リフォームしただけあり新築みたいに綺麗に成っていた。
この家、大家は香さんだったけど、今は栞さんに生前贈与されたから栞さんが家主に成っている。
本当に栞さんは愛されているんだな。
ドタドタ ドタドタ ドタドタ ドタドタ !
アッ ! さくらとサファイアが運動会を始めたな。
何か物を壊さないウチに捕まえないと危ないぞ !
興奮した猫は暴走して事故ると聞くからな。
目を合わせた栞さんも同じことを考えたらしく、俺達は急いでさくらとサファイアを捕まえるために中に入って行った。
♟♞♝♜♛♚
カタ ! チロリ と少し動き、中に居る七之助や栞、サファイア、さくらを見ているモノがあった。
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