THE 7/7

横谷昌資

友達がいないということは

なんて辛いことなんだろう

友達がいないことがこんなに辛いことだとは思わなかった


仲のいい人がいるということ

それはなんて幸せなことなんだろう

もちろんいたらいたで大変なこともあるのだけれど

でもただ周りに人がいるだけのことじゃなく

友達だと呼び合える人がいる、ということは

それはきっとこの世に生まれてきてよかったと思えることの一つ


例えば遊びに出かけたり、買い物をしたり、

一緒にご飯を食べに行ったり、飲みに行ったり、

ただずっと話し続けたり、あるいは何もしなかったり、

そういうことができる人がいる、ということは

なんて幸せなことなんだろう


大切に思える人がいる、ということは

なんて幸せなことなんだろう

自分の好きな人が自分を好きでいてくれる

それはなんて幸せなことなんだろう


友達は、百人もいなくてもいいけれど

一人もいないのはいくらなんでも寂しすぎる


誰かが言った 友達なんていなくてもいい、と

でもなんだかんだいってそう言う人には友達がいるんだ


結局今いる全ての友達と絶交しようとは思わないはず

結局想像力が欠如しているだけの話

結局友達が一人もいないという状況が理解できないんだ


友達がいない人と、ほとんどいない人との間には

巨大な溝がある


友達がいても孤独を感じることはある

でも孤独なら孤独なだけだ

一人になりたい時もあるけれど

独りでは生きていけない


挨拶をするだけで救われるとは思わなかった

世界に社会がある限り、

真の孤独には耐えられないから


友達なんかいなくてもいい

と言い切れるほどには

孤独に耐えられない


孤独から生み出される何かは確かにある

それが今の俺を作っているのも間違いない

そのこと自体は正しい それはそうなんだけど

だからと言ってまた孤独になりたいとは思わない


くだらない人間関係にしがみつくことはないけど

そもそも世の中そんなに捨てたもんじゃない

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