第4話 千里の道も一歩から?飛行機で一っ飛び!!

窓から溢れる夕陽は、優しく一日の終わりを告げるように本棚を包む。

さっきまで聞こえていた街の生活音は消え始め、赤く染まった図書館から雑音が去る。

ページを捲る音だけが響く寂しげな図書館は、もうそろそろ眠りにつく。

                                   



読み終わった〜〜〜〜!!!『スキップ』使ったのに結構かかったな、、、、ん?

スキルが増えてる??『有識者』??いつの間に、、、


「まぁ、とりあえず、、『ステータス・オープン』」


『有識者』 《知識、記憶の管理・スキルの所有者の疑問への解答》

永久的全自動発動 “一つの人格として「天早 歩」の補佐と記録を行う”


「つまり、、どう言う事??解析・鑑定とかやってくれるって事かな、、便利〜!!」

 歩は少しの疑問は見なかったことにして現状を飲み込んだ。


「じゃあ、早速、、なんで追加のスキルもらえたの?」

疑問を口にした瞬間、脳内にぼんやりとでも、はっきりと声が広がる。


〔解答します。『スキップ』の権能により、条件達成するとスキルの取得を『世界』に申請できるようになり、許可が出ると「天早 歩」に付与できるようになります。

今回『有識者』取得に許可が出たので、追加のスキルがもらえました。〕


「なるほど、、なんとなく理解した。ありがとう。」

初めての感覚に驚きはしたものの、ゲーム脳を最大限使うことにより、歩は理解した。

誰がなんと言おうと、歩は理解した。無理矢理、理解した。ゲーム脳で。



〔補足します。条件達成し、申請しても拒否されると、スキル取得にはなりません。

 特に、攻撃的なスキルは基本的には拒否されます。ご了承ください〕


「自主的に喋ることもあるのね、、攻撃的なスキルが許可されないんじゃ、そこまでチートってわけじゃないのか、、あっ今すぐ条件達成できそうなスキルってある?」

 歩は期待に心を踊らせながら、恐る恐る聞いてみる。


〔解答します。今日中に条件達成が可能なスキルは、『魔力制御』のみとなります。

 あと一回『スキップ』を使用すると、条件達成です。〕


「わかった、、そしたら明日やろうかな?レベル上げの時『スキップ』使うだろうし。

今日は図書館で得た情報を整理して休もう。」

歩は上がってきて頻拍数と、溢れ出すやる気を飲み込み、深呼吸しながら帰路に着く。




             _____宿_____


なんか帰りに見つけたちょっとデカめのスライム倒して『コア』売ったら銀貨二枚もらえた

ラッキーすぎね?お陰様で宿と食事にありつけたからとても有難い。



「さてさて、『有識者』さん?性別とかって、、いや、先に今日得た知識の整理と解説お願い出来ます?できるだけ簡単にお願いします、、。」

歩は少し恥ずかしがりながらも理解するために脳のエンジンをかけて頭の回転数を上げる。



〔解答します。箇条的になってしまいますが説明させていただきます。


・現在地、

 〈アルト〉と言う星の、三つの内一番大きい〈ウォルム〉の中にある四つの国である、〈ファミヌ共和国〉の北東部の〈アルイ〉と言う街です。


・『魔王』及び人類と敵対する勢力、

 三十年おきに『魔王』が生まれ、その度に「災厄」として恐れられ、世界各国が対処に追われるが、前回が十八年前だったのでしばらくは安全である。


・お金の種類と価値、

 五種類の硬貨のみで、一番価値が低いのが銅貨で日本円で約百円です。次が銀貨で、価値が銅貨の十倍の約千円、銀貨の十倍の価値の小金貨、小金貨の十倍の価値の金貨、金貨の十倍の価値の白金貨になります。お金は世界共通です。


・私の性別、

 あまり関係はないと思いますが、女の子であります。



                                 以上、解答終了〕



「ありがとうございました!、、女性だったんですね、、なんかすみません、、。」

 歩は感謝しつつ、なんともいえない申し訳なさでいっぱいになりかけたが、この世界についてしっかりと理解できたのであった。



「もう遅いし、寝るか。『有識者』さん、おやすみ。」


〔おやすみなさいませ。〕



〔「天早 歩」の就寝確認。

  今日の記録を『世界』へ送信完了。スリープモードへ移行します。〕

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