優等生なS級美少女の裏アカを見つけた結果、俺にだけマジでワガママな素顔を見せるようになった件。

海の家

プロローグ

「マジでありえなくない?なんで何でもかんでも私に言ってくるのよぉ」


夜のファミレスの喧騒の中、俺の前に座る彼女-希月彩美きづきあやみはジュース片手に周りの騒音に負けないくらいの勢いで愚痴をこぼした。


「まあ落ち着けって。それだけ彩美が信頼されてるってことだろ?」

「絶対違うもん。あいつらは私を便利な奴くらいにしか思ってないもん」

「あいつらって…一応、高校時代からの友達じゃないか」


俺-吉河京弥よしかわきょうやと彩美は高校2年生の時のある一件がきっかけで知り合い、そこから紆余曲折あって交際に発展した仲だ。


現在はお互い違う大学に通っているが、恋人関係はしっかり継続中である。


「確かに友達だけど…でも何か問題が起こる度に私に解決させるのは違くない?」

「ははは、確かにそれは酷いな」

「でしょ?!もー本当に意味わかんない」


そう言ってテーブルに突っ伏す彩美だが、正直な話、彼女の性格とその優秀さからすれば、頼りにするなという方が無理があるだろう。


マジで21世紀からきた猫型のあ奴みたいな活躍するからねこの子。


なんて思いながら、机上にあるポテトを手に取り食べていると、何やら彼女の視線が俺の手に注がれていた。


「ポテト欲しいのか?」

「違う」

「じゃあなんでずっと俺の手見てんの?」


俺がそう言うと、彼女はさらに不貞腐れたように顔を膨らませ、こちらをじとーっとした目で睨んできた。


「何で頭撫でてくれないの?」

「え?」

「え?じゃないでしょ。私が頭撫ででほしいってサイン出してたじゃん」


サインと言われて、ここ数分の彩美の行動を振り返ってみる。


愚痴を言って、机に突っ伏して、手をずっと凝視してきて…


「いや無理があるだろ」

「うるさいうるさい。早く撫でろー」


彩美が駄々をこね始めたのでしょうがなく、手を拭いて彼女の髪に手をやる。


「はむぅ…」


頭を撫でられている時の彩美は猫が毛繕いを受けているかのように機嫌がよくなるのだ。


本当に猫型ロボットじゃないだろうな…


「京弥…何か失礼なこと考えてないでしょうね」

「べ、別に?猫みたいに可愛いなって思ってるだけだよ」

「ふん…」


俺の言葉に少しばかり頬を赤らめ、そっぽを向く彼女の姿を見て、本当によくこんな可愛い彼女と付き合えてるなと自分の運の良さを褒めたたえる。


彼女と知り合えたのは本当に偶然で、恐らくあの一件がなかったらこんな関係になっていないのだから。


俺は、引き続き彼女の頭を撫でながら、高校2年生のあの頃に記憶を飛ばした。


【あとがき】

読んで頂きありがとうございます。

本編は次話から始まりますので是非、ブクマ&評価よろしくお願いします!


また新作『学生結婚したら、周りの美少女達が全員寝取り(NTR)属性だった件。』も読んでいただけると嬉しいです!

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