チート能力を手にした俺が異世界で新たな人生を歩もうとしたら、なぜか現実世界に残されたままだった

山田

第1話 とある日本人の末路


俺の名前は山田太郎


ごく普通にいるフリーターだ

大学までは行ったが、いい職に就けず(言い訳)結局地元でフリータとしてだらだら生きている


この人生が駄目だとわかっている。わかっていても行動に移せないんだ

結局俺はその程度の人間なのだろう


こういって開き直るあたり死んで生まれ変わらない限り、俺は変わらないのだろう


―生まれ変わりたいのですか?—


ん?


今何か聞こえたような...


「ついに幻聴まで聞こえるようになったかwでも生まれ変われるなら来世は金持ちの家でイケメンでスポーツ万能、頭脳明晰な完璧人間になりたいなw結局顔と金よ世の中はw」


尻を搔きながらベッドの上で漫画を読み笑っていると


俺以外の物が真っ暗になった


「ふぇ?」


―いいでしょうあなたを金持ちで高身長イケメン、スポーツ万能、頭脳明晰な完璧人間にいたしましょう―


「どわああああああああああ」


底の見えない奈落に突き落とされる

だがこの感じ見たことあるぞ!異世界行くやつだ!これラノベで呼んだことあるやつだ!クッソ2026年のワールドカップを見れないのは心惜しいが異世界転生はなんて心地いいんだ!


暗闇を心地よいと感じた俺は真っ逆さまに落ちる

真っ黒な空間に一つだけ見えた光。

そこに向かって俺は吸い込まれた





「うぅ...」


パチッと目が開く

目に入ったのはいつもの俺の部屋だ、何の変哲もないワンルームの部屋

親父からもらった安物のテレビに壁に掛けられた安物の服


「そうだよな。まぁ期待なんてしてなかったけどな」


そうだ。そんな都合のいい話があるわけない

そんなことで誰しもイケメンになったり金持ちになれたら苦労なんてこの世に存在しない。


「ハァー…」


クソデカため息が出る

夢って見ているときは夢って気づかないからひどい

残酷すぎる


そうトボトボ歩いて洗面所に向かう

水を出して顔を洗う。いつも寝起きは冷水を顔面にぶっかける

普通に冷たいが、これが目をしっかり覚ましてくれる


「タオルタオル…」


引き出しからタオルを出して顔を拭く

顔を上げたとき俺は手に持ったタオルを落としてしまった

鏡に映った顔は見たことのないイケメンが映った


「すげぇイケメンだぁ…」


「て、そうじゃねぇ!なんだこれ!?」


鏡を両手で抑えながら至近距離で自分の顔を確認する


「か、カッコよすぎる!」


その顔はまさに自分でも惚れこむようなほど美しく凛々しい。

テオ・エルナンデスとオリヴィエ・ジル―(似てない)を融合したかのような顔立ち


最強か?


あの願いは夢じゃなかった

それを知った俺は変化に戸惑いを隠せなかったが投稿へのタイムリミットが迫っていた。

髪を整え、制服に着替え学校に向けて出発する

異世界に行けなかったのは残念だが、その原因も調べたい

まぁとにかく学校へ行こう

今はそれが俺の仕事だ


これが新しい人生の幕開けとなったのだ









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