学校は簡単に噂が広がってしまう。

 「知ってる?この学校に男なのに女のフリしてる奴がいるんだって」

 「えー、何それ、」

 「本当だよ。部活の後輩が言ってた」

 誰かがそう言う。それを使いが聞いている。

 「おい、その噂、誰から聞いた。」

 使いが噂話をしていた女子生徒に近づいた。

 「ひぇ」

 女の生徒は間抜けな声を上げた。

 「せ、せ・・・

 先生を呼ぼうと声を上げるもう一人の女子生徒。その瞬間使いは刃物を出して首に近づけた。

 「黙れ、騒ぎを起こすなと言われている、俺が言った質問に答えろ、その噂はどこから聞いた?」

 「と、友達が言ってたのを・・・」

 「わ、私も」

 「名前を言え、」

 「し、知らない。」

 「は?」

 「影からこっそり聞いてただけだから」

 「クラスも違うし・・・」

 「そうか、・・・このことを誰かに言ったからどうなるか・・・試してやろうか?」

 「い、い、わかる。言わない。言わないから。」

 女子生徒はそう言って逃げるように去って行った。

 「はぁ、俺にこの仕事は向いてないのかもな・・・」

 使いはため息を吐いて消えて行った。



 「荼泉とい様。」

 「噂の根源は分かったのか?」

 「いいえ、」

 荼泉が使いに命令した日から二週間は過ぎた。いつのまにか志綾しあの噂が広まりつつあった。

 「荼泉様・・・」

 「大丈夫だ。」

 志綾の頭を撫でて言う。

 「はい・・・すみません」

 「謝るな。親に言いたくないんだろう?」

 「はい・・・理解できました。どうしてお母様とお父様は別室で着替えるよう言ったのか・・・」

 「あれば偶然の事故だ。」

 「ですが・・・私がもう少ししっかりしていれば・・・」

 「・・・」

 「覚えていないのか?」

 「?」

 「小さいころした約束を」

 「ごめんなさい。小さい頃は全然。」

 「・・・そうか。思い出したらおしえてくれ」

 「分かりました。」

 心配そうに荼泉を見上げる。柔らかく微笑んで「大丈夫」とひとこといった。




 「そ、そんな・・・要様には?」

 「まだお伝えしていません。」

 「お願いどんなものでも叶えて上げる、だから・・・伝えないで・・・」

 「茅鶴ちづる様!落ち着いてください。私は繋家の使いですし、繋家の皆様には命を助けてもらった身何にがなんでもこの秘密は守ります。」

 「ありがとう」

 「ああ、感謝する。桜川さくらがわ

 繋家が出した使い桜川 筒夏つつな

 筒夏は小さい頃道捨てられて路頭に迷っているところ茅鶴とかおるに見つかった。

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