学校
初めての
二人はクラスは一年一組だった。
「ここですよね?」
「うん。」
扉を開けて見ると初日なのにもううるさいぐらいまでなっていた。
「仲良くなるの早いですね。」
「そうだろう。俺達と違って保育園?幼稚園?そう言うところに通ってたから、知り合いがいるんじゃないのか?」
「荼泉様は頭がいいですね。」
「そんなことは」
少し照れ臭くなったのかそっぽを向いた。
黒板に書かれてある名前通りの席に座った。先生の配慮なのか二人は隣の席だった。
「一緒ですね。」
「いや、多分・・・なんでもない」
「親がやった」と言おうと思ったが荼泉を見る志綾の目が純粋すぎて言えなかった。
数分間二人は会話をしていた。(ほとんど志綾の一方的な質問だったが)
すると二人を見かけた女の子が近くにやって来た。
「おはよう。私は
可愛らしい見た目に大人びた声。
「お、おはようございます。わ、私は
「志綾ちゃん?よろ・・・
「無礼だぞ。・・・」
荼泉が睨むように純麗を見上げる。
「?えーとごめん。何が無礼なの?」
「繋家のご氏族の名前にちゃん付け・・
「ま、待って荼泉様。親の目がないところでなら大丈夫ですよ。それに私も様ぐらいなら気軽にちゃんと付けて欲しいです。」
「でも・・・俺の家の使いの目があるし」
「荼泉様。それは要家の者ですし、私のお母様とお父様は許してくださいます。」
「・・・分かった。それと志綾も様はいらない、多分、全員不思議に思ってる。」
「それこそ・・・無理ですよ。」
目の前のクラスメイトをそっちのけに盛り上がっている(厳密にいうと志綾一人が盛り上がっている)と純麗が「あの、」と割って入っていいのか分からないのか恐る恐る言う。
「えーと・・・志綾ちゃんでいいのかな?」
「うん、よろしくお願いします。」
「うん、よろしく。」
二人は握手をした。
影から息を殺して見ている者がいた。そう、荼泉が言っていた『使い』だ。使いはため息をついて小声で「少しの間変わってくれ、親方に報告してくる。」
『了解。』
するとどこからか黒い男が出て来て使いの男の肩を叩いた。その瞬間消えた。黒い男はまた同じように息を殺す。
使いは要家の
「親方、報告したいことが・・・」
「それは重要なことか?」
「ええ、」
「話せ、」
「・・・」
表情は分からないが緊張感のある雰囲気になっていた。
「繋 志綾に友達が出来ました。」
黒凪は声に出して「は?」と叫んだ。
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