越えられない壁で僕らの幸せは・・・
綾瑪 東暢
性別
紹介
昔、女しか産まれてこない家があった。夫以外全員女。男が一人しかいないから夫は簡単に体を壊した。重いものは持たせられない、外にも出せない。
女は家の中で裁縫、料理だけをしていろと言うのがあり、夫一人が仕事をし、森に行って木を集めに行ってそんな毎日を送っていたから夫も倒れ、お金がなくなり、木もなくなり日に日に女も夫も弱っていく。
そんなある日、上の方に住んでいるであろう裕福な家庭の方がやって来て言った。
『お主の家も女しか産まれてないのだろう?わしのところも同じだ男しか産まれてこない。そこで提案だ。わしの息子とお主の娘を結婚させる。』
と。妻は喜んだ。でも疑問に思う。
『あの、その提案嬉しいのですが、そうすると男、女、どっちらも産まれてしまい、偏りが出来てしまうのでは?』
と。男は大いに頷く。
『そうだ。だから二人以上子供を作ってもらう。一人はお主の方の跡取りでもう一人はわしの跡取りとして。』
と。妻は了承した。何も問題ないと思って、これで夫も楽できると。
それはもう今から何年も昔の出来事。妻の家系は
2024年◯月◯日。今日両家の両親は子供を産んだ。
繋
要
だが、例外が今日生まれた。
志飛が男だった。繋家に男など不要。
両親は初めての子供だと言うこともあり志飛を女として育てようと決意した。名前も考えていた名前を男の方に新しく
繋
志綾、荼泉が成長し、初めての顔合わせがあった。
「お久しぶりです、要様。」
「あぁ。繋家の者も来たみたいだな。」
要家当主、要
「お久しぶりです。繋
要家当主の妻である要
「ご丁寧にありがとうございます。」
「時咲。戻れ。そんなことするために繋家を呼んだのではない。」
「ですが・・・当主様。どんなことがあろうともこの家に来てくださったのならばおもてなしするのが私達の役目だと私は思います・・・違いますか?」
「・・・・好きにしたらいい。」
「ありがとうございます。」
時咲は怯えることもなく淡々と言う。
「当主様。お待たせしました。」
立ち上がって黒凪の隣に腰をかけた。
「では、始めよう。」
その言葉に後ろの引き戸が開いた。そこには幼いながらも正装をちゃんと着こなしている志綾と荼泉がいた。二人は黒凪の近くまで進んでいく。志綾は緊張しているのか少しタヨタヨしていた。荼泉は真っ直ぐ前を見て淡々と歩いている。
「おぉ、」 「綺麗だ」
誰かが声を上げた。声を上げるのも必然かもしれない。志綾は母親の可愛らしい顔と、背丈は低いが細身のある体は父親譲りで美と街の人は称えるだろう。荼泉はと言うと父親の面影が少なからずあった。だから街の女共は皆、カッコいいと言うだろう。だが物怖じしないところは母親譲りだろう。
「では、名を名乗れ」
「はい、要 荼泉です。」
「は、はい。・・・繋 志綾です。」
二人は名を名乗りお辞儀をする。
「では、我、要 黒凪の権限に置いて二人は婚約者とする。」
この日二人は婚約者同士となった。
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