Aランクパーティを追放され、ソロでダンジョン配信を始めたら迷惑系認定されてしまった僕だけど、不死身スキルがバズって、美少女と攻略することになってしまった。なので今更戻って来いと言われても、もう遅い
プロローグ 【悲報】ワイ氏、パーティから追放されてしまう
Aランクパーティを追放され、ソロでダンジョン配信を始めたら迷惑系認定されてしまった僕だけど、不死身スキルがバズって、美少女と攻略することになってしまった。なので今更戻って来いと言われても、もう遅い
秘見世
プロローグ 【悲報】ワイ氏、パーティから追放されてしまう
「
「な――――――」
僕は絶句して、パーティリーダーの
僕の名前は尾妻涼。17歳。
幼なじみの龍翔らとともに、ここ東京でダンジョン探索者として活動している。
中肉中背でステータスは最低レベルだが、一つだけとりえがある。
それは死ぬことだ。
「な……なんで?」
「わからねえのか!? てめえが不死身ってだけで、戦闘にも探索にも1ミリも役に立たねえからに決まってるだろうが!」
「そ、そんな…………僕はパーティのために何度も死んできたじゃないか」
ユニークスキル『無事死亡』。
HPが0になったら、即座に復活できるスキルだ。
これしかスキルを持たない僕だけど、それでも今までパーティの一員としてそれなりに貢献してきたつもりだったのに……。
「あんたキモいのよ!」
ボブカットの小柄な少女が叫んだ。
有名な動物園経営者の長女で、モンスターを使役して索敵や戦闘を行うテイマーである。
複数の動物を同時に操る凄いスキルなんだけど、ダンジョン内に持っていける食料は限られているので、どうしても餌不足になるのが悩みどころだった。
それを解決したのが、『僕を餌にする』という手段だ。
僕はどんなに体に損傷を負っても、死ねば元通りに復活するため、モンスターたちの携帯食にはうってつけ…………と判断されてしまった。
泣きわめきながら手足を食われる僕を見て、よくゲラゲラ笑っていたっけ。
「姫山さんの仰る通りですわ。あなたがパーティにいると、配信ができなくなりますのよ?」
紅茶を片手に優雅に告げたのは、
すらりとしたモデル体型で、波打つ金髪が綺麗なハーフの美女だが、いまその青眼には冷ややかな光が宿っている。
大手製薬会社の社長令嬢である彼女は、アイテム士の職に就いている。
スキル『調合』で毒薬を作っては、即効性や持続時間の実験データを得るために、僕に服用を迫ってきたものだ。
一度など、複数の強烈な興奮剤を配合した脱法エナジードリンク的なものを飲まされ、心臓が肋骨を破って爆発したことがあるけど、あれは本当に死ぬかと思った。
っていうか、実際死んだんだけど。
「グロい死体とか誰も見たくねーことぐらい、頭の悪いおまえにだってわかんだろ?」
短髪で引き締まった肢体の女性が告げる。
世界チャンピオンを何人も輩出したボクシングジムの会長の娘だ。
素手で戦う拳闘士だが、彼女の得意スタイルは、「他人が攻撃されている隙に、敵の側面に回り込んで殴る」である。
この場合の「他人」とはもちろん僕のことだ。
何度敵の前に突き飛ばされ、囮に使われたか、わからない。
一番きつかったのは、手足の骨をへし折られて、フィールドに放置された時だ。
経験値がバリ高いゴールデンはぐれメタリックスライムをおびき出すのが目的だったが、無防備な僕の姿に安心したスライムが僕を頭から丸かじりしているところに、彼女が踵落としを叩きつけ、僕の脳天ごと敵を粉々に砕いた。
あの時は、三日ぐらい本気で引退するか悩んだ……。
「ま、そういうこった」
龍翔が汚物を見るような眼差しを僕に向けながら、締めくくる。
「要するに、おまえが気持ちの悪い死に様を晒すせいで、今までダンジョン配信ができなかったんだ」
「そうよ! 龍翔ってばやさしーから、それでも幼なじみのあんたをパーティに入れてあげてたのよ!」
いや、パーティを作るから入ってくれと頼まれたのは僕の方なんだが……。
そもそも死に様を晒すのが迷惑みたいな論調だけど、死ぬ指示をいつも出してくるのはそっちだし。
「まあ、俺らもいよいよAランクだ。こっからは華々しくいきてーんだよ。わかるだろ?」
幼子を諭すような口調になる龍翔。
「そうそう」
「文句を仰るなど論外ですわ」
「むしろ、『これまでありがとう』だろ?」
3人の幼なじみたちもかわるがわる告げる。
「ま、待ってくれ」
「あん?」
「知ってるだろ。僕は、妹の薬代をどうしても稼がないといけないんだ……」
ふー、と嘆息をもらしながら、肩をすくめる龍翔。
「俺に言われてもよぉ……いい年なんだから、自分の家族の世話ぐらい自分でしようぜ?」
「そんなにお金が欲しいなら、銀行強盗でもすればぁ?」
「おっ、それ面白いな! 強盗をリアルタイム配信ってかぁ!?」
「ダメですよ早乙女さん。尾妻さんはオツムが貧しいのですから、本気になさってしまいますわ」
どっと笑うパーティメンバー。
幼なじみとはいえこんな奴らとつるんでいたのかと思うと、悔しさと情けなさで涙が出そうになる。
僕は無言で
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