|幕間|お弁当の時間だぁ!!!
檸檬と映え写真を、ファンシーエリアの各所で撮ったりしている内に真白達と合流した、そして丁度お昼の時間になったので
中央にあるドリームエリアに来ていた、ここはアトラクションが一つだけでステージやレストラン、売店などが密集するエリアだ。
「さて……突然だけど何を食べようか?」
「むふふ~実は、お弁当を持ってきているのです!」
真白が胸を張って言う、いやそう強調されると通行人の目が凄い事になってるから……。
――ゴンッ、——ガッシャ―ン、——ザパーン。
ほら……言わんこっちゃない……。
電灯に顔面をぶつけたりゴミ箱に突っ込んで中身をぶちまけたり、果ては噴水に落ちる人まで、そしてもれなく彼女に引っ張だかれてる。
「あれ? でも園内ってお弁当OKだっけ?」
「原則は駄目ですけど、実は食べられるエリアがあるんです」
前世で来るときは、いつも売店かレストランだったから知らなかった。
それからシンボルになっているお城のすぐ近くのエリアに来ると、そこは小さい子供が多いファミリー向けの場所となっていた。
「ここのエリアなら、大丈夫なんだよ!」
「へぇ……知らなかった」
「お待たせしました」
唐突に4人以外の声に驚くと、背後に全員分のお弁当を持った鳴海さんが立っていた。
「あ、お久しぶりです」
「お久しぶりです佐伯様、以前は大変ご迷惑をおかけしました」
「いえいえ、気にしてませんよ」
「それと、あの後詐欺師が捕まり、お金が帰って来たのです」
「へぇ、そうだったんですね」
嬉しそうに話す鳴海さん。
(多分蕾かな?)
オリエンテーションの後に、昼食の席で鳴海さんが被害に遭った件の詳細を結構細かく聞いてたし、時期的にこのタイミングなら蕾が手を打ったのだろう。
「何にしても、お金が戻って来たなら良かったですね」
「はい!」
そんな話をしていると、準備が出来たようで蕾が呼びに来た。
「おーい翔~準備できたよぉ~」
「わかった、今行くよーそれじゃあ鳴海さん、お弁当持ってきてくれてありがとうございます」
そう言って頭を下げて皆の元へ戻った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「お待たせ」
「もー遅いよ~」
「そうですね~おなかぺこぺこです」
「ゴメンゴメン」
レジャーシートの上に座ると真白がお弁当を開けてくれた。
「じゃーん!」
「お~凄い!」
「これ、全部真白が?」
「ちがうよ~檸檬ちゃんも蕾ちゃんも藍那ちゃんも手伝ってくれたんだよ~」
「そうなの?」
「ま、まぁ! チケットのお礼だし!」
「そうですね~せっかくならと頑張りました~」
「昨日はぁ~藍那ちゃんとこに泊まってぇ~朝早起きしたんだぁ~」
「そっか、みんなありがとうね」
そう言うと。皆、恥ずかしそうに顔を背ける。
「さて……どれから行こうかな~」
迷い箸は行儀が悪いけど、どれも美味しそうで迷ってしまう。
「それじゃあ……まずこの唐揚げから」
そう言って唐揚げに箸を伸ばすと、檸檬がちらちら見て来る。
「あっ、それ檸檬ちゃんの作った奴だ」
真白が言うとびくっと反応する檸檬、そんなに身構えなくても良いのに……。
「それじゃあ、いただきます」
ひょいっと口の中に入れる、作ってから時間は立っているので冷めてはいるが、じゅわっと口内に醤油とニンニクの味が広がる。
「んー美味しい! 噛むと下味がしっかり口の中に広がるのがまたいい」
そう言うとほっとした顔をする檸檬。
ご飯が欲しくなり一口サイズの小さいおにぎりに手を伸ばす、すると蕾が反応する。
中身は無く塩気で甘みが増したご飯がふんわりと解ける、おかずとの相性も良いので美味い。
「うん、この塩加減がご飯の甘さを引き立てるし、握られてる力も絶妙、口の中で解けるのがまた美味しさを際立たせるね」
そう言うと恥ずかしそうにする蕾。
「じゃあ次はこの胡麻和えにしようかな……」
さやえんどうの胡麻和えを口に放り込む、爽やかな胡麻の風味とシャキッとしたさやえんどうの触感と豆の触感が後追いで来る、筋も丁寧に取られてるので非常に食べやすい。
「うん、さやえんどうの胡麻和えは初めて食べたけど凄く美味しいね、丁寧に筋も取られてるしこれは無限に食べれるよ……」
次々食べていると藍那が顔を赤らめながらも嬉しそうにする。
「じゃあ次は卵焼きを……」
黄色く彩を与えている卵焼きを箸で掴み一口で食べる、出汁のうま味にほんのりとやさしい甘さが来る、卵自体もふんわりと巻かれていて本当に時間が経ったのか不思議なくらいだ。
「卵もふわふわで、ほんのり甘みがあるのが良いね、これは凄い美味しい」
そう言うと真白の顔が喜びに変わる。
「というか、皆食べないの? 食べちゃうよ?」
「あっ食べます食べます!」
「そ~だねぇ~早く食べよぉ~」
「あーお腹ペコペコ!」
「美味しいですね~」
おかずもさっきの以外に沢山あって、かなりの量があったのだが5人でぺろりと食べてしまった。
「はぁ……満足……」
「ですね~とても美味しかったです~」
「そうだねぇ~頑張った甲斐があるよぉ~」
「うん! 作って良かった!」
「はい、皆さん食後のお茶です」
そう言って真白がお茶をカップに入れて出してきてくれた。
「さて、一休みしたら次のエリアに行こうか」
「「「「「はーい!」」」」」
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