第11話:想定以上にヤバそうなんだが?
翌朝、檸檬との約束通り、3駅隣の真白達が乗る駅へ向かっていた。
メッセージアプリのグループチャットを開きながら文字を打つ。
⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤<檸檬・真白・蕾・翔>⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤
『おはよう、もうすぐ着きそうだけど、どこで待ってればいい?』
『おはようございます! そうしたら改札口にあるモニュメントの所でお願いします!』
『おはよう! あれ? 今日は良いんだけど!?』
『あれ? そうだっけ?』
『部活の朝練も無いから……』
『まぁ、いいよもう着いちゃったし』
『えぇ~早いです!!』
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モニュメントの写真を撮りグループチャットにアップする。
⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤<檸檬・真白・蕾・翔>⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤
『ここでいい?』
『そこです! すぐ行きますね!』
『おはよ~』
『蕾ちゃん! ここで話さないで! 早く行かないと!』
『そう言いつつも、ここで返信を返す真白なのであった……』
『檸檬ちゃん!!』
『急がなくて良いよ、予定時間よりも早く着いちゃっただけだし』
『すみません! 後5分くらいで到着します!!』
『頑張って歩くよー』
『ちなみに二人は既にへとへとです!』
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そう言って檸檬から、動画が送られてくる。
『ほらほら~早くいかないと~翔が待ってるよ~』
『ぜーはーぜーはー、檸檬ちゃん……待って……早い……』
『あはは~頑張らないと翔に残念な所見られちゃうよ~』
『ふぇ!? 待って檸檬ちゃん!? それ動画!?』
『にしし~ほれほれ~捕まえてごらんなさ~い』
そうして二人をぶっ千切った檸檬のダッシュで、段々と小さくなる二人で終わっていた。
何してるんだアイツら……。
呆れ半分微笑ましさ半分で見ていたら、檸檬の姿が見えた。
「おっはよ~翔!!」
「あぁ、おはよう」
走って来て上気した頬が健康的な色気を出している、その邪な気持ちが浄化されるような笑顔が可愛らしい。
「今日も元気だな」
「そりゃね~私から元気とテニスを取ったら何も残らねーぜ!」
「いやいや、檸檬は十分可愛いからなぁ、モデルとかもやれるよ」
「そう? えへへ~なんか嬉しいなぁ!」
まぁ実際に前世じゃ、檸檬はプロテニスプレイヤーをしながらモデル業までこなしてたからな。
しかしその姿から想像できない程、今はくねくねしてる、田んぼに居たらSAN値チェックしなきゃいけなくなる感じのくねくねさだ。
「むむっ……なんか翔、今失礼なこと考えたでしょ!」
「やべっ……顔に出てた?」
「出てましたーって失礼なこと考えてるじゃん!! 酷い!!」
「あはは……すまんすまん。それにしても昨日、妹にも言われたな、顔に出過ぎって」
昨日の妹の奇行を思い出しながら言うと檸檬の興味は妹に移ったのか膨らんだ頬がしぼむ。
「そうそう、由愛ちゃんの事教えてよ! 何だかんだ言ってあんまり話した事無いし」
「そうなのか……昨日由愛が、ひたすら檸檬の事を、崇拝してたんだけど……」
「崇拝って……わたしゃ神か!?」
相変わらずのノリの良いツッコミがさく裂する。
「どうどう……」
「わたしゃ、馬か!」
「まぁそんなんで今度、由愛に会ってやってくれ」
「任せなさい~私のテクニックでメロメロにしちゃる!」
「程々にしてやってくれ、あの様子じゃ由愛が嬉死ぬ」
昨日の興奮具合を見ているとありえそうで困る。
「そっかー嬉死ぬのかーって、想像以上に危ない子な気が……」
そんな事を話していると、ものごっつ胸部装甲を揺らしながら真白が走って来た、その隣には蕾が青い顔をしている。
「ぜーはーぜーはー、檸檬ちゃん……早い……」
「おはよ、真白。蕾は大丈夫か?」
「ぜーはーぜーはー、おはよ……翔……ぐん……」
「将軍?」
「翔くん!! もう檸檬ちゃん……ぜーはー」
「想定以上にヤバそうなんだが?」
「あはは……走りすぎたかな?」
「とりあえず蕾、掴まるか?」
今にも倒れそうな蕾に手を出すとガシッと掴まれる。
「檸檬、何か飲みやすいのを、そこの自販機で買ってきて」
「任せて! スポドリ買って来る!」
小銭入れを投げて渡すとキャッチした檸檬が、人波を縫って自販機へ向かった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから蕾にゆっくりとスポドリを飲ませて、落ち着いた所で電車に乗る。
「ありがとぉ~しょ~は、命の恩人だぁ~」
運良く空いていた座席に蕾と真白を座らせ、俺と檸檬はその前に立つ。
「良かったの? 私達の分まで?」
「良いよ良いよ、お小遣いもそれなりに貰ってるし」
昨日の事で、女の子と仲良くなっと聞いた父さんから、追加で小遣いを貰ってしまった、なのでジュース3人分なら全然痛くはならない。
「それじゃあ、ごちそうさまです」
「ごち!」
「まぁ蕾の顔色も良くなって一安心だな」
「うむぅ~今度何かしょーの為に働くよ~」
「まぁ、そんな時がくればね」
「そう言えば、雨音達は?」
「あぁひとみんは寝坊、というか雨音の寝坊だね」
「そうか……じゃあしょうがないな……」
メッセージアプリで「雨音に起きてるか?」と打つと、『やべぇ』と帰って来た。
結局二人が登校してきたのは、朝のホームルームが終わる直前だった。
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作者です!
次回デート回()に入ります!
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