チートな催眠術を貰ったけど、エロい事には使わず、慎ましく生きようと思います!! ~青春を楽しみたいんだから、使わないって言ってるだろ!!~
ふぇありす@新作公開中
第1章【春】
プロローグ:記憶と通り魔と催眠術
突然だが皆は、催眠術というと皆何を思い浮かべる?
・誰でも他人を操る万能な能力?
・漫画やアニメで使える能力?
・エッチな本やアダルトビデオである万能シチュ?
・詐欺師が使う手段?
・昔はテレビ番組でやっていたが、今は極稀にやってるくらい?
それでは質問を変えてみよう、そんなご都合的な『チートな催眠術は現実世界で使えるか?』
答えは可であり不可である。
何故そう考えるかだが、使えはするだろう。
だが、常に相手に催眠術を重ねがけを続けなければいけないし、犯罪行為だって度が過ぎれば目をつけられる、今は皆が自由に情報を発信できる世の中であり、監視カメラだってそこいら中に存在する。
犯罪行為を犯して常に逃げたりするのだって精神的に参ってしまう。
それにかからない人が居たらそれは破綻する、周りに命じてその人を殺す?無理無理そんなの常人なら精神が摩耗しきってしまう。
それに催眠術はそんな簡単にかかるものじゃない、動作やトリガーが必要だ【それが暗示の言葉かもしれない】【昔ながらのろうそくの火を見つめさせるかもしれない】【仕舞には5円玉の穴に糸を通してプラプラさせる?】そんなの常に
なので可であり不可となる。
でも、もし制約が無い、お手軽で最強の力を得たらどうするんだろうな……………
◇◆◇◆◇◆◇◆
その日は二度目の人生の、高校の合格発表の日だった。
「大丈夫、大丈夫、大丈夫……」
ここいらで最難関と言われる
「大丈夫だ、自己採点では大丈夫なはずだ……」
そうして受験票を取り出し合格番号が貼り出されている掲示板を見る。
「0417……0417……あっ!あった!良かったぁ〜」
番号を確認をし終えた俺は、そのまま事務局に向かい入学資料を受取る、そしてそこで制服などの採寸をしてもらい、配送の手配を等を済ませると良い時間になっていた。
(結構時間かかっちゃったなぁ……)
それから地元の駅に着くと夕暮れの時間帯だった。
(この時間、本当に嫌だなぁ……)
何故か昔から夕暮れの人並みが嫌いだった。
「早く帰ろう……」
歩きだして自宅の方へ向かうバス停へ並ぶ、スマホを弄る訳でもなく、ただ単に前の立つサラリーマンの背中をぼーっと眺めながら待っていると突如けたたましいブレーキ音がした。
「え?」
気付いたら駅前のオブジェに車が突っ込んでいた、恐らく轢かれたであろう人達が倒れている。
そして中から出てきた男が大声で叫ぶ。
「あひゃひゃひゃ、死ねええええええええ」
その声と共に男が何か液体を撒く。
「ひゃはひゃはやは!!」
「うわああああああ」
「逃げろおお!!」
「どけっ!!」
駅前でパニックになり逃げ惑う人達が洪水の様にこちらへ向かい、突き飛ばされる。
「痛っ……」
突き飛ばされたせいか、その際に踏まれたかわからないが、足に激しい痛みが走る。
「みんなみんな!死んじまえええええ」
火の付いたライターを投げると火の手が上がる。
「きゃあああああ」
「火を放ちやがった!!」
その赤い炎と夕日が被る。
「逃げなきゃ……立ち上がれない!?」
(クソっ!クソっ!クソッ!!せっかく二度目の生を受けたのに!)
二度目?何言ってるんだ?俺……
「頭が痛い、すごく痛い……」
そうして逃げ遅れている人が次々襲われている。
そして一人の女の子が倒れる。
女の子に犯人の目が釘付けになる。
「いいなぁ……顔も良くて、身体も良くて……ついでに頭もいいんだろうなぁ~~」
ニタニタと気持ち悪い顔をしながら犯人が歩いて行く。
「助けて!!誰か!!たすけ……きゃあ」
女の子がついに捕まった。
(今なら逃げられる……)
「ここで逃げないでどうするんだ俺!!」
(そうだ、やり過ごせばいい、不運にも俺は巻き込まれた!被害者だ!!)
「そうだ……逃げないと……」
だけど何故、目が離せない!!
なぜなら目の前の女の子が前世の自分に重なるから?
(前世って何だ!?恐怖で頭がおかしくなってるのか!?)
「怖くない痛くない! 怖くない痛くない! 怖くない痛くない!!」
思いっ切り自己暗示をかけるが、抜けた腰も痛む足も戻らない……逃げたいのに!!このままじゃあの子の次に狙われる。
(無理だ……怖すぎる……次は俺が殺される……前世の様に……)
さっきから頭痛が酷い……なんだよこれ!!
そうして転んだ少女の前で大きく鉈を振りかぶる男。
どうしてだろう……見捨てちゃいけないと思う。
「クソったれええええええ!!」
気付いたら立ち上がり足が出ていた。
目の前の光景がスローになる。
鞄を大きく振り上げる。
「自分勝手な事してんじゃねええええ!!」
「ひぎゃぶっ!」
思い切り振り上げた鞄が男にぶつかり吹き飛ぶ。
そのまま拳を握り振り抜く!!
「ぎょふっ!」
鉈を持つ左手首を持ち肘を蹴り上げる。
「ひぎゃあああああ!?!?!?」
骨の折れる鈍い音がして、男は鉈を取り落とした。
「こんなもの!」
そうして鉈を蹴り飛ばすと肩で息をする、途端に左足に激痛が走った。
「いぐっ……つううう……」
「あっちです!!」
どうやら逃げた人がお巡りさんを連れてきてくれたようだ……って不味くない?
骨が折れぶっ倒れた犯人、腰を抜かしているのか、大泣きで這いずる女の子。そしてこの場で唯一立って肩で息をしてる俺。
冷静になるとこれまずくない?
(やばい……このままじゃ学校に連絡が行ってしまう、最悪は入学資格取り消し? そうだ! 被害者のふりをしよう!)
「助けて! 助けて下さい!!」
脚を引きずりながら警察官に保護され支えられる。
「だいじょうぶだぞ!」
「助けてください!! 大男があの犯人を倒して逃げて行きました!!」
「わかった! こちら到着しました、犯人はどうやら大男に倒され気絶している模様」
「もう大丈夫、痛むのは足だけかい?」
「はい! 転んだ際に踏まれてしまって……」
「救急車がもう少しで来る、我慢してくれ」
「はい……」
物凄い痛みに耐えながら、救急車に乗せられ辿り着いた先で、医者に言われたのは。
「いやー折れてるね! うん綺麗な亀裂骨折だ。まぁ俗にいう骨にひびが入るってのはこの事だよ!! まぁ、一月程で完治するよ!」
やたらめった元気な女医さんに言われるが、俺の気分は落ちていく。
「あはは……春休みが……」
「仕方ない、諦めないさいな、命あるだけ良かったんだから」
俺が病院に運ばれたと聞いて慌てて来た母に、呆れられながら言われた。
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『———ピピピ』
仕事中だがアラームが鳴る。
「おや、そういえば今年だったか彼の記憶封印が解かれるのは……」
手元のバインダーに挟んだ、彼のページをめくる。
「それじゃあ彼に説明に行くとしますか!」
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あの通り魔事件から約一月、つまり俺の骨折から約一月立ったという事だ、ギプスも取れ俺の骨折は治ったが春休みは丸々潰れてしまった。
「えっと……ここはどこ?」
「やっほー
振り帰ると知らないんだけど、確かにあった事がある人が居た。
「そりゃ君の前世では会った事があるからね」
「あぁ!!そうか!」
「とりあえず君に記憶と力を返すね」
「力?」
「うん、君が望んだんだよ?」
「後は、思い出すから大丈夫大丈夫!」
「待って!! 説明をして!」
「それじゃあ、これからの未来を期待してるよ~」
「ちょ!まっ!てええええええええ!!!」
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作者です!
はじめましての方は初めまして!!
既に別作品を読んでいただいてる方はこちらも見てくれてありがとうございます!!
第2話は22時に公開します!!
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