風の虹

星之瞳

第1話鳩山小学校

凪紗なぎさ、今日はもう帰るの?」同級生の絵里からそう言われ

「ううん。図書室によってから帰る」と私は答えた。

「またまた。凪紗は本の虫だね」

「来年卒業だし、もう少し読みたい本があるのよ」

「わかったわかった。でも週末は付き合ってもらうよ」

「うん」

「約束だからね、じゃぁ!」絵里はそう言うと教室を出て行った。

私は荷物を持って図書室に向かった。この学校の図書室はかなり大きく興味のある本が沢山ある。放課後に行くのが日課のようになっていた。


私は小学校6年生の鳥越凪紗とりごえなぎさ両親と4年生の弟との普通の4人家族。体を動かすことよりも本が好きで、ちょっと変わった子に見られてるかも。


「さて、今日はこの本を借りて行こう」私は本の貸し出しカードに記入し、本をランドセルに入れると図書室を出た。


下駄箱で靴を履き替え帰ろうをすると、外が風が強いことに気がついた。

家までは歩いて20分ほど。晴れているし、大丈夫よね。私はそう思い学校を出た。


家への帰り道、今日借りた本を早く読みたいなとか思っていたら、前からものすごい風が吹いてきて思わず目を覆ってしまった。必死に耐えていたがそのうちに風に飲み込まれたような気がして、意識を失った。

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