第14話 さて、畑作り

「先ほど少し村の中を見て回ったんですが、畑はそれぞれの家で作られていますよね?」


「ああ、昔からそうだ。それぞれの家でそれぞれの作物を作っている」


「それ、やめましょう」


「「「??」」」


「タイチ君、それはどういうことだね?」

「村長さん、家々で畑を作る場合、人がいなくて畑を作れない家はどうしていたんです?」


「ああ、その場合は隣の家に頼んでいたかな。お互い持ちつ持たれつでやってきたしね」


「そうですよね。そして今は村全体が困っている状況です。一軒ずつやるより、みんなで助け合いませんか?」


「確かに。だが、どうやって?」

「大規模な畑を村の西側の共有地に作ります」


「なるほど、確かにその方が効率的かもしれませんね。では、早速計画を立ててみましょう。みんなで協力して、村を良くしていきましょう!」

 アリアさんが話してくれる。


 こうして、俺達は村の共同作業場を作り、そこに畑を作ることが決まった。

 翌日から共同畑を作るところから始めることにした。


 そして次に畑の作り方をみんなにレクチャーしていく。

「さあ、皆さん。畑を作っていきますが、まずは畑の作り方について説明します」


「「「はい!」」」


「畑はこれまで村で作ってきた畑を大規模化することで生産性を上げていきます。ただ、やみくもに植えるのではなく、作物ごと、種類ごとに。区画を分けるのは連作障害を避けるためです。これはおいおい説明しますが、同じ場所に同じ作物を連続して植えると実りが悪くなったりしませんでしたか?」


「おお、確かにその通りだ」

 ロイさんも同意してくれた。


「そういうことです。それでは、畑を作る手順を説明します。まずは草を取り除きます。その後、耕します。ここで重要なのは、土の中に空気を入れること。土の中に空気が入っていると、根がしっかりと育ち、作物も豊作になります。そして、肥料をまきます。肥料は、化学肥料や有機肥料などがありますが、できるだけ有機肥料を使うようにしましょう。最後に、種をまきます。種のまき方は、深さや間隔によっても収穫が変わってきますので、それぞれの作物に合ったまき方を知っておく必要があります。」


「なるほど、たしかにそうだね。でも、こんなに広い畑を作るのに、手作業だけで大丈夫なのかい?」と、村人の一人が聞いてきました。


「そうですね、手作業だけでは大変です。ですので土魔法を使える方がいらっしゃったらおてつだいをお願いしたいのですが」


「土魔法??」


「ええ、畑を耕そうと思います」


「土魔法でですか?!」


 あれ? どうやらこの世界では土魔法は畑には使わないみたい??

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る