英語の授業の勝てないじゃんけん

ミンイチ

第1話

 本鈴がなって五限目の授業が始まる。


 2クラスを3クラスに分けて行う英語の時間だ。


 私は今のところ、(先生が言うには)発展クラスに振り分けられて授業を受けている。


 このクラスの担当は今年新しくこの学校に来た先生だ。


 イメージは「やさしくてよく喋る、たまにおやつとかをくれる近所のおばちゃんとか友達のお母さん」って感じだ。


「スタンダップ オールスチューデンツ

 ハローエブリワン」


 どちらかというとカタカナ英語に近い英語で始めの挨拶を始める。


 初めは前の週末でやったリスニングの小テストをする。


 そのあとは文法の教科書を進めていく。


 すると突然、

「隣の人とじゃんけんして負けた人はここの意味を言って」

と言われた。


 いつものことだが、毎回毎回負けてしまう上に先生が選ぶところは難しいのだ。


 やはり今回もじゃんけんに負けて意味を言うことになった。


 ここは少し簡単だったためにいつもよりはすぐに終わった。


 しかし、次のところがある。


「ここもじゃんけんして意味言って。

 けど、いつも負けた人ばっかだからここは言って」


 いつも負けてばかりなのだから今回も負けるだろう。


 そう思ってじゃんけんをして、しっかりと負けを勝ち取り、ここは言わなくてもよかった。


 しかしそのあとは普通に負けた人に言わされて、そして負け続けたためにずっと言わされた。

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