墓地。

Rotten flower

第1話

「幽霊出るって、絶対。」

「だ、大丈夫だよ。幽霊なんて出るわけないし。」


ここ、築城霊園はホラースポットとしてとても有名であり、時々無名Youtuberがやってくる、まぁまぁな人気スポットになっていた。

実際、この霊園は城の跡地に存在はするが、幽霊の話全くと言って良いほど聞いたことはなくほとんど編集である。

ある日、僕が通っている学校に転校生がやってきた。

転校生が言うには、

「あの霊園、本当に幽霊が出るんだって?」もしこの地域に引っ越してきても全く同じ質問をするだろう。

この地域に住んでいる人にとってはそんなことがデマであることは承知である。

「出ないよ。」「出るわけない。」

そんな言葉たちが彼をまるで嘲笑うように包み込む。


茂みの中で僕らは二人だった。なんでこんなところにいるか自分でも分からなかった。

セミの鳴き声が色んなところで聞こえる。

「賭けしてるんだぞ。後出しはなしな。」

彼の声は微かに揺れていた。

「なんの賭け?」

「だから、幽霊が出たら俺の勝ち。もし出なかったらお前の勝ちな。」

そんな賭けをした覚えはない。だが、彼にはそれで話が通ってしまっているようで、先に霊園へ行ってしまった。僕も彼のあとをついていった。

幽霊は出ないがかなり気味が悪く僕はここから逃げ出したいくらいだ。

「で、出ないからさ。早く帰ろう。」

この言葉の最初の詰まっているところは、怖いからではなくそもそも彼と話したことはなく無理やりクラスで浮いてたからという理由だけで捨てられたかのように連れてこられてしまった。

「嘘付いてるだろ、俺に。」

彼はこちらを向いてが少し顔に血が流れていないぐらい顔色が悪い様に感じた。


誰かの足音がする。怖いのは運動靴などここに来る際にかなりの確率で履かれているものではなく、下駄の音が周期的になっている。その音がなった瞬間、僕は逃げ出したくなった。

「嫌だ、こんなところにいたくない!」

彼は逃げ出してしまった。足が動かない。だんだんと僕よりも小柄な少女が近づいてくる。その瞬間、終わりを告げる音が僕の中で流れた。その音がなった瞬間、もうどうでもよくなって、少女に挨拶をした。

「こんにちは。」

「あ、こんにちは〜。」

返事は返ってきた。


「あそこ幽霊出たぞ。」

彼には賭けに負けたと思われており僕自身も賭けに負けたと思いこんでいたが、実際あの少女は人間であった。教室内には幽霊が出るという噂が流れたが、僕は唯一の友達ができ、幸せだ。

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