第461話 教会群で花嫁のお披露目会 後編
突如、花嫁姿で現れた超絶エロエロ眼鏡ダークエルフのレイミーさん、
セクシーとかアダルティだとか、そんなチャチなものでは断じてない、
もっと恐ろしい、ハニートラップのラスボスといった畏怖すべき程の女性だ!
(ボリネー先輩が放り込んだファイナルウェポンとでも言うべきか)
ここまでのムチムチ感は十一人の奥さんには無いものだ、
それに全ての宗教を受け入れると言う観点では真教会は悪くは無い、
でも、でもこれで僕にとって『最後の枠』という政治的カードを失う事に……!!
「ええっとレイミーさん」
「はいっ」
僕は溜めに溜めて……!!
「保留で!」
「……はい?」
「結論は、新婚旅行から帰ってきてから!」
ふう、何とか堪えたぞ、
これも今がある意味『賢者タイム』みたいな状況だからだろう。
「ではお待ちしておりますわ、おほほほほ」
「時間の問題デュフね、デュフデュフデュフ」
あっ、レイミーさんもボリネー先輩も不敵に笑っている、
見た感じだと、いかにも悪そうな極悪商人と極悪悪女みたいな感じだ、
破滅しなくて良かった、ってなんだそりゃまあいいや、とりあえずは乗りきった。
「ではこの姿で見させていただきますわ」
「そのままギャラリーに行くんだ」
「お待たせデュフ、神父代わりの登場デュフ」
と入って来たのは神父服に身を包んだ、ってえええええ?!?!
「何してるのマンタ爺ちゃん!」
「ワシもよくわからん」
「そのへんに転がっていた爺さんを着飾ってみたデュフ」
あはは、僕の結婚式らしいや。
(うん、むしろ、こういうのでいいんだよ)
「そういえばマンタ爺ちゃんって宗教は」
「そんなものは無い!」「あっはい」
ペットのワーウルフも服を着せてもらっている、
しっぽをブンブン振っているから嫌では無いのだろう。
「あっ爺ちゃん、メイドのお婆ちゃん達は」
「準備できちょる、後でコロシアムへ連れていく」
「あっはい、よろしくお願いします」
……どこかで隠れて見てたりして、
と見渡すといつも働いてくれている教会関係者、
孤児院の子供達、医療関係の皆さん、うん。ここで開いて良かった。
「では簡潔に行くぞ」
「はい、神父様!」
「まずは新郎ミスト、ここに居る嫁を、全員幸せにするのじゃ、わかったな?」
僕は腕を真っ直ぐ上げて答える!
「はい、誓います!!」
続いて奥様方の方へ。
「続いて新婦の皆の衆!」
み、みなのしゅうって!!
「ここにいるだめ貴族を、一生面倒見るのじゃ、わかったかの?」
(うっわ、酷い言い方!)
でも反論はできない
だめ貴族だもの。 ミスト
「「「「「「「「「「「「「はいっ!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」
十三人の女性(少女ふたり含む)から一斉に揃った返事が!
「ではチスじゃ! チッスじゃ!!」
「ええっと、えー……チーーーッス」
「チッスじゃチッスじゃ、くちで、くちを付けるのぢゃあああああ!!!」
あーはいはいはい。
(コロシアムと二回すればいいか)
と思ったら僕の両側にやってきたソフィーさんとベルルちゃん、
そして同時に僕のほっぺに……
チュッ、チュッ
(うん、孤児のみんなも見てるからね)
続いてリア先生が僕のおでこに
チュッ
さらに続いてエスリンちゃんとアメリア先生、
ってこれ屈んだ方が良いな、そしてふたりはそれぞれ僕の首筋へ……
チュッ、チュッ
うん、くすぐったい。
(場所、それぞれ変えてるのか)
ミランダさんは、って顎かいっ!!
キリィさんモリィさんは、えっ、同時に耳?!
ジゼルさんはわざわざめくってまで僕の肩に。
(間接キスにならないようにかな)
エスタさんはアンナちゃんと一緒にそれぞれ僕の手を取って甲に、
最後のサリーさんは、僕を屈ませて……ええっ、は、鼻あっ?!
あっ、さらに最後の最後でベルベットちゃんが浮かんで背後からうなじに……!!
(なんか全員でマーキングされたみたいだ)
そしてみんな並んでいる、
ええっと、どこにしよう、されたのと同じ場所でいいのかな、
打ち合わせとかしてないからよくわからないけれども。
(もう、適当でいいや!)
僕のお返しのキス、
ソフィーさんベルルちゃんリア先生エスリンちゃんには頬に、
アメリア先生も頬でいいや、後はみんな首筋にしようっと、うん、
問題なさそう、あっ、子供ふたりにはおでこにしてあげたよ!
「では最後に、皆で揃って、全ての教会や孤児院の方を向いてブーケ投入じゃ!!」
十四人大集合の結婚式、
ほんの僅かな時間の儀式だけれども、
みんなの心に残ると良いな、特に見ている孤児たちの……
(うっわ、僕をめっちゃ睨んでる男の子がいるうううう!!!)
うんわかる、憧れの聖女様を取っちゃうのが、
こーんなダメ貴族の僕だからね、世の中って理不尽だ。
「ってもう終わるからって、レイミーさんしれっと混ざろうとしないで!」
「おほほほほほほ」
まだ、保留なんだからー!!
「さあ終わったデュフね、ではコロシアムへと向かうデュフ」
「あっはいニクナンデス先輩、ここでの結婚式まで企画運営ありがとうございました」
「本番はこれからデュフよ?」
こうしてみんなゾロゾロとコロシアムへと向かったのだった、が、
その様子を物陰から見ていたとある夫婦、その妻の眼光は鋭かった、
特に、リアに向けて。
(リア……このまま幸せになれると思ったら、大間違いよ)
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